後任は未経験でいい。採用担当が4ヶ月で育つ理由
採用担当が退職したとき、後任の要件を「採用担当の経験3年以上」と設定する会社は多いです。妥当に見えますが、この一行が採用の難易度と費用を大きく押し上げています。
結論から言えば、後任は未経験でも成立します。ただし条件があります。
経験者に限定すると何が起きるか
| 経験者に限定 | 事務・総務経験者まで広げる | |
|---|---|---|
| 想定年収 | 450〜550万円 | 350〜420万円 |
| 母集団 | 薄い | 大きい |
| 決まるまでの期間 | 3〜6ヶ月 | 1〜3ヶ月 |
| 紹介手数料(年収の30〜35%) | 135〜190万円 | 105〜145万円 |
採用担当の経験者は、そもそも転職市場に多く出てきません。人事部門がある規模の会社に在籍していることが多く、中小企業の単独ポジションへの転職は選ばれにくい傾向があります。
そして探している間、採用は止まったままです。この期間のコストについては求人を止めている間に、応募者はどうなるのかに整理しています。
採用業務を分解すると、大半は手順で回る
「採用担当」という言葉は幅が広いので、実際の業務を分けて見ます。
手順化できる業務(全体の7〜8割)
- 求人原稿の作成・更新
- 求人媒体の管理画面操作、予算設定
- 応募者への返信、日程調整、リマインド
- 面接の設定、会議室や担当者の確保
- 見送り連絡、内定連絡
- 応募数・面接数・内定数の集計
これらは手順書があれば未経験者でもできます。むしろ事務職の経験がある人の方が正確に回せることが多い領域です。前任者が属人的にやっていたために「経験が必要」に見えていただけ、というケースが少なくありません。
判断が必要な業務(全体の2〜3割)
- 応募書類を通すか見送るか
- 母集団が集まらないときに要件を緩めるか、媒体を変えるか、予算を足すか
- 現場が求める条件と募集条件のずれを調整する
ここは経験が効きます。ただし判断の型を渡せば、未経験者でも数ヶ月で判断できるようになります。必要なのは経験そのものではなく、過去の判断事例と基準です。
だから引き継ぎ書には「なぜ見送ったか」の実例を残すことが重要になります。詳しくは採用業務の属人化を解く。引き継ぎ書に必ず書く12項目に書いています。
未経験者を後任にする場合の条件
ただし、条件なしで成立するわけではありません。次の2つが必要です。
条件1:教えられる人がいること
これが最大の壁です。前任者はもう社内にいないため、社内では教えられません。社長や総務部長が兼任で教えるのも、実務経験がなければ困難です。
ここを外部が担えるかどうかが、この選択肢を取れるかどうかの分かれ目になります。
条件2:手順書があること
口頭のOJTだけでは、教えた人がいなくなった時点で元に戻ります。手順書として残っていれば、次に担当者が変わっても同じことは起きません。
つまり「未経験者を採る」という判断は、引き継ぎの仕組みを作る作業とセットでしか成立しません。
4ヶ月の内訳
当社が引き継ぎに4ヶ月を置いているのは、次の順序が必要だからです。
| 期間 | 状態 |
|---|---|
| 1〜2ヶ月目 | 当社が採用を実務で回す。並行して後任を採用する |
| 3ヶ月目 | 後任が入社。当社の運用を横で見ながら、操作を覚える |
| 4ヶ月目 | 後任が主担当として回し、当社が確認役に下がる。手順書を納品して引き渡す |
運用が動いている状態に人を入れるので、教える材料が常にあります。止まっている採用に未経験者を配属しても、覚える対象がないため育ちません。この順序が逆にならないことが重要です。
人材紹介会社にはできないこと
人材紹介会社は「経験者を紹介する」ことが商品です。採ったあとに育てることは業務範囲に入らないため、要件を下げる提案ができません。要件を下げれば手数料も下がるので、構造的にも提案されにくくなります。
採用支援会社である当社は、採用の実務そのものを代行できます。だから要件を下げて、育てて、引き継ぐという選択肢を提示できます。
当社の採用担当引き継ぎ代行は、この前提で4ヶ月のパッケージにしています。現状の棚卸しと、後任の要件をどこまで下げられるかの見立てまでは無料です。まずそこだけでもご相談ください。