スカウト型の採用は、担当がいない会社に向くか
採用担当が辞めて求人が止まったとき、媒体の営業担当から「待つ採用ではなく、こちらから声をかけるスカウトに切り替えませんか」と提案されることがあります。応募が来ないなら自分から探しに行けばいい、という理屈は分かりやすく、魅力的に聞こえます。
ただ、スカウト型の採用は、担当者が毎日手を動かすことで成り立つ仕組みです。この記事では、担当が不在の会社がスカウトを新しく始めるべきかを、手間の構造、成果までの期間、掲載型との費用の出方の違いから整理します。前任者が使っていたスカウト媒体が止まっている場合の戻し方は、スカウト媒体の送信と返信が止まっているとき、どこから戻すかで扱っています。
スカウト型は「毎日動く」採用
スカウト型の採用(ダイレクトリクルーティング)とは、転職サービスに登録している人の経歴を会社側が検索し、条件に合う人へ個別にメッセージを送って応募や面談を促す方法です。求人を出して応募を待つ掲載型とは、会社側の動き方が逆になります。
毎日発生する作業
スカウトを動かしているあいだは、次の作業が日々発生します。
- 検索条件を決めて、登録者の経歴を読む
- 送る相手を選び、相手の経歴に触れた文面を書く
- 届いた返信に答え、面談や面接の日程を調整する
- 返信がない相手へ、間隔を空けて再送するか判断する
掲載型なら、原稿を出したあとは届いた応募に返せば済みます。スカウトでは、応募が「来る前」の段階にも会社側の作業があります。誰にでも送れる定型文は、受け取った側から見て自分宛てだと感じにくいため、相手ごとに文面を書き分ける手間も省きにくい作業です。
返信が来てからが本番
スカウトに返信してきた人は、会社に関心を持ち始めた段階です。この時点で返事が数日止まると、関心が冷めたり、並行して届いている他社のスカウトに移ったりすることがあります。送信は週に一度まとめてでも回せますが、返信対応はまとめて処理しにくいところが、担当不在の会社にとっての難所です。
掲載型の求人広告と、費用と手間の出方を並べる
スカウトサービスの料金は、利用料が月額・年額で決まる形、送信数に応じて費用が出る形、採用が決まったときに成功報酬が発生する形、これらを組み合わせた形などがあり、サービスによって異なります。掲載型の課金形態の違いは求人広告の課金形態4つの違い(掲載課金・クリック課金・応募課金・成果報酬)にまとめています。
ここでは金額の大小ではなく、「いつ、何に対して費用と手間が出るか」で比べます。
| 比較の観点 | 掲載型の求人広告 | スカウト型 |
|---|---|---|
| 会社側が動き始めるタイミング | 応募が届いてから | 応募が届く前から |
| 毎日の手間がかかる作業 | 応募への返信、日程調整 | 検索、文面作成、送信、返信、日程調整 |
| 費用の発生 | 掲載期間・クリック・応募など | 利用料・送信数・採用決定など(組み合わせあり) |
| 担当が手を止めたとき | 掲載は続き、応募が溜まる | 送信が止まり、新しい接点が生まれない |
| 文面の作り込み | 原稿1本を整える | 相手ごとに書き分ける |
利用料が期間で決まる形の場合、担当が手を止めている間も費用は出続けます。成功報酬中心の形は「使わなければ費用がかからない」ように見えますが、送信と返信にかける社内の時間は費用表に載りません。契約前に、最低利用期間と途中解約の条件は必ず確認してください。
成果が出るまでに時間がかかる理由
スカウトは、送信、返信、カジュアルな面談、応募、選考と段階を踏みます。掲載型に比べて、応募に至るまでの段階が一つか二つ多い構造です。
さらに新しく始める場合は、最初のうちは検索条件と文面を直しながら進めることになります。どんな経歴の人に送ると返信が来るのか、どの書き出しなら読まれるのかは、自社で送ってみないと分かりません。この調整の期間は、返信の数を見て検索条件を変える人がいないと短くなりません。担当不在のまま始めると、調整されないまま送信だけが続き、成果が出る前に「スカウトは効かない」と判断して終わることがあります。
向く会社・向かない会社
| 向く条件 | 向かない条件 | |
|---|---|---|
| 募集職種 | 専門職で、掲載しても応募の母集団が薄い | 応募条件が広く、掲載型でも応募が見込める |
| 社内の人 | 返信当番を毎日置ける | 返信を見る人が決まっていない |
| 判断の速さ | 面談するかをその日のうちに決められる | 面談可否に役員の判断が必要で数日かかる |
| 求める人物像 | 現場と人物像がすり合っている | 誰を採るかが社内で固まっていない |
| 期間の余裕 | 調整期間を見込んで待てる | 今月中に欠員を埋めたい |
向く条件が揃っていても、返信当番を置けない状態で始めるのは避けたほうが無難です。せっかく関心を持ってくれた人を待たせることになり、送信の手間も利用料も無駄になります。
始めるなら、後任が着任してからの順番で
担当が不在の会社がスカウトを使うなら、次の順番を勧めます。
- 掲載型で窓口と応募対応を戻す。 まず応募が届いたら返せる状態をつくる。止まっていた求人の復旧が先です
- 後任が応募対応に慣れる。 返信、日程調整、面接官との連絡が回るようになるまで待つ。後任が何から覚えるかは後任が最初の1ヶ月で覚える順番で整理しています
- スカウトを小さく始める。 1職種に絞り、週に送る数を決め、返信の当番と面談可否の決め方を先に決めておく
この順番にすると、スカウトの返信が来たときに受け止める人と手順がすでにある状態で始められます。専門職で母集団が薄く、掲載型だけでは埋まりにくい職種がある場合も、まずは窓口を整えてから足すほうが、送った分の接点を取りこぼしにくくなります。
スカウトを足す前に、止まった採用を戻す
採用担当がいない状態で新しい手法を足すと、運用する人がいないまま費用だけが出ていくことがあります。先に必要なのは、止まった求人の復旧と、運用を引き継ぐ人です。
Talencoの採用担当引き継ぎ代行は、止まった求人活動の復旧、後任の採用担当の採用、引き継ぎと業務改善までを一続きで支援します。後任は採用担当の経験者でなくても構いません。当社が育てて引き継ぐため、スカウトのように手間のかかる手法も、着任後に段階を踏んで任せていけます。プランと費用は料金プランをご覧ください(広告費込み・分割可)。
採用ストップ診断(媒体アカウント・契約・進行中の応募者の棚卸し)までは無料です。スカウトを始めるべきか迷っている段階でも、まずはLINE公式からご相談ください。