求人広告の代理店を乗り換えるべきか、見極め方
採用担当が退職したあと、求人広告の代理店から「引き続きよろしくお願いします」という連絡が届くことがあります。前任者がどういう経緯でその代理店を選んだのかは分かりません。今の担当者が良いのか悪いのか、比べる材料もありません。それでも更新日は近づいてきます。
この記事では、前任者から引き継いだ代理店をこのまま使い続けるか、別の代理店に替えるかの判断に絞って整理します。代理店経由と媒体への直接契約のどちらにするかという比較は求人広告は代理店経由か、媒体と直接契約かで扱っています。ここでは「代理店は使う」という前提で、どの代理店にするかを考えます。
代理店を替えると変わる部分、変わらない部分
最初に、代理店を替えても変わらないものを切り分けておきます。媒体の掲載枠を用意しているのは媒体側です。そのため、掲載面の見え方や定価は代理店では動きません。応募が来ない原因が媒体そのものにある場合は、代理店を替えても状況は変わりません。
| 項目 | 代理店を替えると変わるか | 理由 |
|---|---|---|
| 掲載面の仕様(表示のされ方、掲載期間の区切り) | 変わらない | 媒体が決めているため |
| 媒体の定価 | 変わらない | 値引きや特典の扱いは代理店ごとに異なる場合がある |
| 原稿の書き手と修正の速さ | 変わる | 代理店の体制と担当者次第 |
| 掲載中の手直しや出す時期の提案 | 変わる | 提案の有無は代理店の運用方針による |
| レポートの項目と頻度 | 変わる | 代理店ごとに様式が違う |
| 請求の窓口と支払い条件 | 変わる | 契約相手が代理店になるため |
替えて良くなる見込みがあるのは、表の「変わる」の行です。乗り換えを考える前に、今困っていることがどちらの行にあるのかを確かめてください。
今の代理店を見極める4つの観点
運用提案があるか
掲載したあとに「応募が来ていないので、職種名をこう変えませんか」といった提案が代理店から来るかどうかを見ます。提案がないまま掲載期間が終わる場合、代理店の仕事が「原稿を入稿して請求する」ところで止まっている可能性があります。採用担当が不在の会社では、この提案が社内の判断の代わりになります。提案の有無は大きな差になりえます。
レポートで何が分かるか
レポートを頼むと、表示回数・応募数・掲載期間が数字で返ってくるかを確認します。数字を並べるだけでなく、「なぜ少ないと考えているか」「次に何を変えるか」まで書かれていれば判断の材料になります。社内でレポートを読む人がいない場合でも、書面で残っていれば後任が着任したときに過去の経緯を追えます。
返答の速さと窓口の継続性
問い合わせへの返答が期限内に来るか、担当者が異動したときに引き継ぎの連絡があるかを見ます。原稿の修正依頼から反映までの日数は、媒体の審査も関わるため代理店だけで決まるものではありません。それでも、依頼を受けたという連絡がすぐ来るかどうかは代理店側の対応です。
前任者との関係でしか回っていなかったか
前任者が電話やチャットで細かく指示を出し、代理店はそれに応えていただけだった、という場合があります。その形だと、指示を出す人がいなくなった時点で代理店も動けなくなります。この場合の問題は代理店の能力ではなく、付き合い方の側にあります。替える前に、媒体営業との付き合い方を、後任にどう引き継ぐかにあるように定例の連絡やレポートの頼み方を整えると、同じ代理店で状況が変わることがあります。
続けるか乗り換えるかの判断
4つの観点を、今の状態ごとの判断の目安にまとめました。
| 今の状態 | 判断の目安 |
|---|---|
| 提案もレポートもあり、返答も期限内に来る | 続ける。付き合い方を社内の誰かに引き継ぐことを優先する |
| レポートはあるが、提案がない | 次の更新までに「毎回の提案」を依頼し、変化を見る |
| 返答が遅く、窓口が前任者との個人的なやり取りだった | 担当者の変更を依頼する。改善しなければ乗り換えを検討する |
| 契約内容や請求の内訳を聞いても説明できない | 乗り換えの候補。少なくとも契約の全体像を書面でもらう |
| 代理店の対応に不満はないが応募が来ない | 代理店ではなく、媒体・原稿・条件の見直しを先に行う |
最後の行は特に混同しやすいところです。応募が来ない理由が媒体や条件にある場合、代理店を替えても解決しないことがあります。 この見分けには、原稿と条件を順に点検する応募が来ない求人を立て直す優先順位が使えます。
乗り換えるときに引き継げるもの、引き継げないもの
代理店を替えると決めたら、移すものを先に確認します。媒体の管理画面に残っている情報と、代理店の手元にある情報では扱いが違います。
- 掲載中・過去の原稿:媒体の管理画面に残っていれば、新しい代理店でも流用できる場合があります。代理店が自社のファイルで原稿を作っていた場合は、テキストのデータを渡してもらうよう依頼してください
- 応募数や表示回数の履歴:管理画面に記録が残る形であれば、代理店を替えても見られる場合があります。代理店独自のレポートは、乗り換え前に過去分をまとめて受け取っておきます
- 写真や動画の素材:代理店が撮影・制作した素材は、利用できる範囲が契約で決まっていることがあります。別の代理店経由で使えるかを確かめてください
- 管理画面のアカウント:代理店名義で開設されているか、自社名義かを確認します。代理店名義の場合、乗り換えると同じアカウントが使えないことがあります
アカウントの名義は、乗り換えの手間を左右します。名義を確かめる方法が分からない場合は、媒体側の窓口に契約者が誰になっているかを問い合わせるのが確実です。
契約期間の途中で替えるときの確認箇所
掲載期間の途中や年間契約の途中で代理店を替える場合は、次の点を契約書と請求書で確認してください。
- 残っている掲載期間と枠の扱い:途中で掲載をやめると、残りの期間分が返金されないことがあります
- 自動更新の停止期限:更新日の一定期間前までに申し出が必要な契約があります。期限を過ぎると次の期間の契約が成立している場合があります
- 年間契約の未使用枠:残った枠を別の代理店経由で使えるかは、媒体と代理店の契約によって異なります
- 違約金や最低利用期間:途中解約に費用がかかる条項がないかを確かめます
途中解約の扱いは求人媒体を解約したいとき、途中解約できるのかで詳しく整理しています。費用をかけずに替えたい場合は、今の契約を更新しない形で終え、新しい代理店とは次の掲載から始めるという進め方もあります。
判断の前に、今の契約を並べてみる
代理店を続けるか替えるかは、契約の中身・応募の数字・担当者とのやり取りが手元に揃って初めて判断できます。前任者が退職した直後は、どの媒体をどの代理店経由で、いつまで契約しているのかが分からないことがあります。まずはその全体像を一覧にするところから始めてください。
採用担当の退職で求人活動が止まっている会社には、採用担当引き継ぎ代行で求人活動の復旧から後任の採用、引き継ぎまでを支援しています。プランごとの内容と金額(広告費込み・分割可)は料金プランをご覧ください。媒体アカウント・契約・進行中の応募者を棚卸しする「採用ストップ診断」までは無料です。代理店を替えるかどうか迷っている段階でも、今の契約を並べるところから一緒に確認できます。ご相談はLINE公式から受け付けています。