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社内チャットに残っている選考のやり取りを拾い出す

求人媒体の管理画面も見た、前任者のメールボックスも転送して確認した。それでも現場の部長から「先月面接したあの人、結局どうなったの」と聞かれて、心当たりがない。こういうとき、選考のやり取りがSlackやTeamsのダイレクトメッセージ(DM)の中だけで進んでいたことがあります。

チャットは速くて便利なぶん、記録として扱われません。前任者が「来週火曜の15時、お願いします」と面接官にDMを送り、面接官が「了解」と返す。この一往復で面接は実施されますが、媒体にもメールにも応募者管理表にも、何も残らない。前任者が抜けた瞬間に、その候補者は社内のどこからも見えなくなります。この記事では、その埋もれた会話を掘り起こして応募者管理表の1行に戻すまでの手順を整理します。

退職者のアカウントを消す前に確認する

最初に押さえたいのは順番です。情報システム部門や総務が、退職日に合わせてSlackやTeamsのアカウントを一括で停止・削除することがあります。製品や契約プランによっては、削除後にそのユーザーのDMを後から取り出せなくなる場合があります。

アカウントの停止・削除は、チャットの確認が終わるまで待ってもらうよう、先に情報システム担当へ一声かけてください。 メールの転送設定や媒体の認証メールにも同じ論点があるため、停止時期の判断そのものは退職者の社内アカウントは、いつ削除してよいかにまとめています。

なお、会社が貸与していないツール(前任者の個人携帯やLINE、個人メール)で進んでいた候補者の追跡は、社内ログからは辿れません。そちらは前任者の個人携帯・個人メールで進んでいた候補者をどう見つけるかで扱っています。この記事は、あくまで会社が管理しているチャットの中の話です。

検索する語句の例

チャットの検索は、候補者の名前が分からない状態から始まります。名前ではなく、採用のやり取りに出てきやすい言葉から引くのが現実的です。

検索する語句拾えること
面接 / 一次 / 二次 / 最終面接日程の調整そのもの
履歴書 / 職務経歴書 / 書類添付ファイルの受け渡し
候補者 / 応募 / 応募者現場への打診や相談
来社 / Web面接 / URL / Teams会議実施日と実施方法
見送り / 辞退 / 通過 / 合格結果の記録
オファー / 年収 / 条件 / 内定条件提示の有無
空いてますか / 調整お願いします日程打診の定型句

あわせて、期間を直近3〜6ヶ月に絞ると件数が現実的になります。ファイル種別で絞り込める製品なら、PDFやWord(履歴書の形式)に限定した検索も有効です。添付ファイル名に候補者の氏名が入っていることが多く、そこから名前を特定できる場合があります。

検索でヒットしたら、その会話の前後も必ず読んでください。「お願いします」の一言だけでは何が起きたか分からず、数日前のやり取りに日程や条件が書かれていることがあります。

面接官側に残る会話から復元する

前任者のアカウントに入れない、あるいはログの取得に時間がかかる場合でも、やり取りの相手である面接官側には同じ会話が残っています。DMは双方のアカウントに残るため、現場の面接官に自分の画面を確認してもらうほうが早いことが多いです。

依頼するときは、次の3点を具体的に伝えると返答が揃いやすくなります。

  • 検索してほしい語句(上の表をそのまま渡す)
  • 期間(例:7月1日以降)
  • 返してほしい内容(候補者名/面接日/実施したか/本人の印象/その後に何か連絡したか)

面接官は採用の専門家ではないので、「選考状況を教えてください」と聞くと答えに詰まります。「この日、面接しましたか」「結果は本人に伝えましたか」と、はい・いいえで答えられる形に割るのが確実です。

ここで一番取りこぼしやすいのが、面接は実施したが、合否が本人に伝わっていない候補者です。前任者が結果連絡を出す前に退職すると、応募者はずっと待たされたままになります。待たせている日数が長いほど対応の優先度は上がります。

ログを管理者として見るときの、社内の筋の通し方

前任者のアカウントに直接ログインする、あるいは管理者機能でDMをエクスポートする場合、社内の手続きを踏まずに進めると後で問題になりやすい領域です。チャットには業務外の私的な会話が混ざっていることがあり、「誰がどこまで見たのか」を説明できる状態にしておく必要があります。

最低限、次の形を整えてから着手することをおすすめします。

項目整えておく内容
目的選考中の応募者の保護(連絡が途絶えている候補者の特定)
承認者社長または管理部門の責任者。口頭ではなくメールやチャットで残す
実施者2名以上で実施。1名が単独で閲覧する形にしない
範囲期間と検索語句を事前に限定し、全件通読はしない
記録実施日・実施者・抽出した件数をメモに残す

多くの会社では就業規則や情報管理規程に、業務目的での会社貸与ツールの確認について記載があります。自社の規程を先に確認し、記載があるならその条項を承認依頼の文面に添えてください。判断に迷う場合は、顧問の社会保険労務士や弁護士に、着手前に一度確認しておくと安全です。

拾った情報を、応募者管理表の1行にする

チャットから拾った断片は、そのままでは使えません。最終的には他の応募者と同じ表の1行に載せて、はじめて「次に何をすべきか」が判断できるようになります。

1行にするとき、最低限そろえたいのは次の項目です。

  1. 候補者名(添付ファイル名か面接官の記憶から)
  2. 応募経路(どの媒体か、紹介会社か、不明なら「不明」と書く)
  3. 最後の接点日(最後にこちらから連絡した日)
  4. 選考段階(書類通過/一次実施済み/結果連絡待ち など)
  5. 連絡先(メールか媒体メッセージか。不明なら媒体の応募一覧と突き合わせる)
  6. 次にやること(結果連絡/日程再調整/選考終了の連絡)

分からない欄は空欄のまま載せてください。埋まるまで表に入れないでいると、その候補者はまた見えなくなります。空欄があること自体が「確認が必要」という情報になります。表の列構成と運用ルールは応募者管理表をExcelで作り直す。最低限の列と運用ルールに具体的にまとめています。

最後に、拾い出しが終わったら運用も一つ変えておくと再発を防ぎやすくなります。日程調整の会話自体をチャットでやるのは構いませんが、確定した事実(候補者名・実施日・結果)は、その日のうちに管理表へ転記する。この一手間だけで、担当者が誰になっても選考状況が追える状態になります。

自力で追い切れないときは

チャットのログ確認は、見るべき範囲を決めるまでが一番重く、しかも社内の承認と情報システム部門の協力が要ります。本業の片手間で進めると、確認が終わる前にアカウントが削除されてしまうこともあります。

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