求人原稿が媒体の審査で止まったまま放置されているとき
前任の採用担当が退職する直前に求人を出した、あるいは後任のいない状態で誰かが原稿を提出した。掲載は始まっているはずなのに、応募が一件も来ない。管理画面を開いてみると、ステータスが「掲載中」ではなく「審査中」「修正依頼」「差し戻し」のまま止まっていた——という状態が、担当者不在の会社では起こりやすくなります。
多くの求人媒体には、掲載前に原稿を点検する審査の工程があります。法令上書けない表現や記載漏れがあると、媒体側から修正依頼が返されます。その通知は原稿を登録した人のメールアドレス宛に届くため、前任者の個人アドレスが宛先のままだと、誰も気づかないまま時間だけが過ぎていきます。
まず、求人が今どの状態にあるかを確認する
「掲載されているはず」という思い込みを外すところから始めます。確認の経路は3つあります。
ひとつ目は管理画面です。求人一覧のステータス欄に、審査中・掲載中・差し戻し・下書きのいずれかが表示されていることが多く、差し戻しの場合は媒体からのコメントが原稿の近くに残っています。ログインできない場合は先に求人媒体の管理画面に入れないときの確認手順を済ませてください。
ふたつ目は、掲載面を実際に見ることです。媒体のサイトで自社名や職種名を検索し、求人が表示されるかを確認します。表示されなければ、少なくとも応募者からは見えていません。
三つ目は媒体の営業担当への問い合わせです。管理画面の権限がまだ戻っていない段階では、これがいちばん早い場合があります。営業担当の連絡先が分からないときは媒体の営業担当と連絡が切れている。誰に何を頼むかを参照してください。
問い合わせるときは「掲載されていますか」ではなく、「この原稿は今どのステータスで、止まっている理由は何か」と聞くと、話が一往復で済みます。
差し戻されやすい理由は、だいたい3種類に分かれる
媒体によって審査基準は異なりますが、担当者が不在の会社で差し戻しが起きる原因は、おおむね次の3つに集まります。
| 分類 | 具体的に指摘されやすい点 | 対処の方向 |
|---|---|---|
| 表現の制限 | 年齢や性別を限定する書き方、「No.1」など根拠の示せない表現、他社との比較、国籍や容姿に関する条件 | 法令で制限される表現は言い換えでは通らないことが多い。条件そのものを見直す |
| 給与の表記 | 固定残業代の時間数と金額の内訳がない、地域の最低賃金を下回る、月給と年収が混ざっている、幅の上限だけを大きく見せている | 内訳を分けて書く。給与テーブルの実態と突き合わせる |
| 業務内容・条件の不足 | 仕事内容が抽象的、就業場所や業務の変更の範囲が書かれていない、契約期間や更新の有無が曖昧 | 現場に確認して事実で埋める。埋まらない欄は空欄のまま出さない |
このうち年齢・性別の表記は、前任者が数年前に作った原稿を流用している会社で残りやすい箇所です。詳しくは求人票に年齢・性別を書いてよいか。前任者の原稿に残りやすい表現にまとめています。
注意したいのは、差し戻しのコメントが「規定によりご掲載いただけません」といった短い文面で返ってくる場合があることです。どの行が問題なのかを媒体側に特定してもらわないと、修正と再提出を何度も往復することになります。差し戻し通知を受け取ったら、該当箇所と、どう直せば通る見込みなのかをその場で聞いておくと早く進みます。
修正から再掲載までにかかる日数の目安
実際にかかる日数は媒体・時期・契約形態によって変わりますが、工程ごとに分けて考えると見通しが立ちます。以下はあくまで目安で、繁忙期や連休前後は延びることが多いと考えておいてください。
| 工程 | 社内で必要なこと | 日数の目安 |
|---|---|---|
| 差し戻し理由の特定 | 管理画面のコメント確認、営業担当への問い合わせ | 当日〜1営業日 |
| 原稿の修正 | 給与や業務内容は現場・経理への確認が必要 | 1〜3営業日 |
| 代理店経由の場合の往復 | 修正内容を代理店に伝え、原稿に反映してもらう | 1〜2営業日 |
| 再審査 | 媒体側の作業。追加の差し戻しが出ることもある | 1〜3営業日 |
直接契約で、修正が表現の言い換えだけなら数日で戻ることがあります。一方、給与の内訳を社内で決め直す必要がある場合は、決裁の時間がそのまま遅れになります。代理店経由の場合の流れは求人原稿の修正を依頼してから、掲載に反映されるまででも扱っています。
急ぐ場合は、全部を直そうとせず「審査を通すために必要な修正」と「応募を増やすための改善」を分けるのが現実的です。後者は掲載が始まってからでも手を入れられます。
掲載開始日がずれた分、契約期間はどうなるか
ここを確認しないまま再提出すると、掲載されていない期間の分だけ契約を損することがあります。審査で止まっていた間の扱いは媒体によって違うため、再提出の前か直後に営業担当へ次の4点を確認してください。
- 掲載期間の起算日は、契約上の開始日か、実際に掲載が始まった日か
- 課金の開始日はいつか。審査中・差し戻し中の期間に費用が発生しているか
- 終了日を後ろへずらせるか。ずらせる場合、申請の期限と方法は何か
- クリック課金や応募課金の契約の場合、停止期間中の消化はどう記録されているか
多くの場合、口頭でのやり取りだけでは後から確認できなくなります。電話で話した内容も、メールで「◯日掲載開始、終了日は◯日という理解で相違ないか」と送り直しておくと、次の担当者にも残ります。
あわせて、再提出の前に通知メールの宛先を直してください。前任者の個人アドレスのままだと、次の差し戻しにも気づけません。媒体の登録メールアドレスを recruit@ のような共用アドレスに変更し、複数人が見られる状態にしておくと、同じ事故が繰り返されにくくなります。退職者のアカウントを急いで削除してしまうと認証メールの行き先が消えるため、切り替えが済むまでは残しておく判断も必要です。
止まった原稿は、放置した日数の分だけ再開が重くなる
審査で止まっている間、応募はゼロのまま進みます。媒体によっては契約期間だけが消化され、掲載順位や掲載枠の条件も変わっていくことがあります。差し戻しは原稿の不備という単純な理由で起きるものですが、気づく人がいないだけで、求人全体が数週間単位で止まることがあります。
今日できるのは、管理画面を開いてステータスを確認すること、通知メールの宛先を共用アドレスに直すこと、営業担当に掲載期間の起算日を聞くことの3つです。この3つが済めば、少なくとも「気づかないまま止まり続ける」状態からは抜けられます。
社内に原稿を直せる人がいない、媒体の契約内容そのものが分からない、という段階であれば、外部に預ける選択肢もあります。採用担当引き継ぎ代行では、止まった求人活動の復旧から、後任の採用、引き継ぎと業務改善までを一つの期間で引き受けています。後任は採用担当の経験者でなくても構いません。当社が育てて引き継ぐ前提で設計しています。費用は料金プランに3つだけ掲載しています(いずれも税別・広告費込み・分割可)。
媒体アカウント・契約・進行中の応募者の棚卸しを行う「採用ストップ診断」までは無料です。ご相談はLINE公式からお願いします。