求人原稿の「急募」「◯月入社」が過ぎたまま掲載されているとき
採用担当が退職したあとも、求人媒体の掲載は契約期間どおり続いています。久しぶりに原稿を開くと、「7月入社歓迎」「夏の入社祝い金キャンペーン実施中」「急募・今月中に面接」といった、すでに過ぎた日付や期限の文言がそのまま載っていた。誰も触っていなければ、原稿は書かれた時点の状態で止まっています。
一方で、応募者はその原稿を今日の情報として読みます。過ぎた月の入社を前提にした文言や、終わった特典が残っていると、「この会社は自社の求人を見ていないのでは」と受け取られる場合があります。この記事では、原稿のどこが期限切れになりやすいかを洗い出し、今日直す箇所と次回更新でよい箇所に分けます。あわせて、古い表記を見て応募してきた人への説明と、日付を書かない表現への置き換え方を示します。
なぜ日付の入った文言だけが古くなるのか
仕事内容・給与・勤務地といった原稿の大部分は、会社の状況が変わらない限り古くなりません。ところが「◯月入社」「◯日まで」「今年オープン」のように暦と結びついた文言は、何もしなくても時間の経過だけで事実とずれていきます。
前任者が掲載のたびにこうした文言を書き換えていた場合、その作業は「原稿を直す」という意識なく行われていた可能性があり、引き継ぎの項目から漏れることがあります。また職業安定法では、募集する側にも求人情報を正確かつ最新の内容に保つことが求められています。古い日付が残っている状態は、見た目の問題だけでは済みません。
原稿全体の見直しは求人原稿を刷新するときに直す7か所で扱っているため、この記事では日付と期限に絞ります。
原稿の中で期限が切れやすい箇所
まず、次の表の箇所を原稿の上から順に確認します。
| 箇所 | 表記の例 | 古いままだと起きること |
|---|---|---|
| キャッチコピー・見出し | 「急募」「◯月入社歓迎」 | 長く掲載されたままだと急いでいるように見えない/入社時期を誤解される |
| 入社時期・研修開始日 | 「◯月1日入社」「◯月から研修」 | 過ぎた日付を前提に、応募者が退職時期などの予定を立てる |
| 応募締切・選考日程 | 「◯日締切」「◯日に説明会」 | 締切を過ぎているのに応募を受け付けている状態になる |
| キャンペーン・特典 | 「入社祝い金」「◯月までの応募で…」 | 終わった特典を前提に応募される |
| 会社紹介の時事表現 | 「今年オープン」「創業◯周年」 | 情報が古いと伝わる |
| 写真・社員コメント | 「入社半年の◯◯です」 | 情報が古いと伝わる |
有料媒体の原稿だけでなく、自社の採用ページや無料の求人掲載にも同じ文言が残っていることがあります。更新権限が誰にあるか分からない場合は、自社の採用ページと無料掲載が放置されているときの手順で掲載面を洗い出してください。
今日直す箇所と次回更新でよい箇所
仕分けの基準は1つで、その文言が応募者の判断や予定を変えてしまうかどうかです。
今日直す箇所は次の4つです。
- 入社時期・研修開始日(応募者の退職交渉や予定に直接影響する)
- 応募締切・選考日程(受け付けるのか終わったのかが分からなくなる)
- キャンペーン・特典(金銭に関わり、後から説明が難しくなる)
- 「急募」(実際に急いでいないなら外す。急いでいるなら残してよい)
次回の原稿更新でよいのは、「今年オープン」のような時事表現や、社員コメントの在籍年数など、古く見えるものの応募の判断は変えない箇所です。気になっても、今日の作業を増やさないことを優先します。
今日中に直せないとき
代理店経由の契約や、媒体側の審査がある場合は、修正を依頼してから掲載に反映されるまで日数がかかります。依頼文の書き方や反映までの目安は求人原稿の修正を依頼してから、掲載に反映されるまでにまとめています。
反映待ちの間も特典や締切の誤った表記が残り続けるなら、掲載をいったん止めるのも選択肢です。止めたときの課金や掲載の扱いは契約によって違うため、操作の前に営業担当へ確認してください。
古い表記を見て応募した人への説明
まず、応募日と、その時点で原稿に何が書かれていたかを確認します。管理画面に原稿の履歴が残っていない場合は、今日修正する前の画面を保存しておくと、後で説明の根拠になります。
入社時期を見て応募した人には、現在の入社時期の考え方を伝え、本人の希望を聞きます。文面の骨格は次のとおりです。
ご応募ありがとうございます。採用担当の◯◯です。ご覧いただいた求人に「7月入社」と記載しておりましたが、更新が遅れておりました。実際の入社時期は、選考の進み具合に応じてご相談のうえ決めております。◯◯様のご希望の時期をお聞かせいただけますでしょうか。記載が古いままになっていたこと、お詫び申し上げます。
担当者の退職まで説明する必要はありません。「更新が遅れていた」と事実だけを伝え、こちらの不手際として詫びれば十分です。
締切後に応募が来ていた場合は、受け付けるかどうかを社内で決めてから返信します。受け付けるなら、通常の選考に進む旨を伝えます。
難しいのは特典です。掲載中に応募した人にとって、原稿に書かれていた特典は条件の一部として受け取られている場合があります。「キャンペーンは終了しました」と一方的に伝える前に、決裁者が支給するかどうかを判断し、迷う場合は顧問社労士などの専門家に確認してから回答してください。
日付を書かない表現への置き換え
再発を防ぐには、時間が経つと誤りになる書き方そのものを減らします。
| 元の表記 | 置き換え例 | 補足 |
|---|---|---|
| 急募 | 早期に入社いただける方を歓迎します | 増員・欠員など急ぐ理由が書けるなら添える |
| 7月入社歓迎 | 入社時期はご相談に応じます | 決まった時期があるなら書いてよいが、見直す日を決める |
| ◯月◯日締切 | 採用予定人数に達し次第、募集を終了します | 終了したら掲載も止める |
| ◯月までの応募で入社祝い金 | (本文から外す) | 続けるか決まってから載せ、終了日と管理者を決めておく |
| 今年オープン | 20XX年オープン | 年を書けば、時間が経っても誤りにならない |
| 入社半年の◯◯です | 20XX年入社の◯◯です | 同上 |
「今年」「半年」のような相対的な表現は時間とともに誤りになりますが、「20XX年」のような絶対的な表記は古く見えても嘘にはなりません。日付を消すことではなく、時間が経っても正しいままの書き方にすることが目的です。
日付を書いたら、誰がいつ見るかを決める
それでも入社時期や特典を原稿に載せる場面はあります。その場合は、次の3点をその場で決めておきます。
- 原稿に書いた日付を、社内の共有カレンダーに登録する
- その日付の前に原稿を確認する担当者の名前を書く
- 掲載中の原稿の写しを共有フォルダに保存し、どの文言を載せたかを後から追えるようにする
担当が替わっても、カレンダーと原稿の写しが残っていれば、期限の過ぎた文言に誰も気づかない状態は避けやすくなります。
日付の入った文言が放置されていたなら、原稿の更新だけでなく、媒体契約や進行中の応募者も同じように誰も見ていない可能性があります。株式会社Talencoの採用担当引き継ぎ代行では、止まった求人の復旧から後任の採用担当の採用、引き継ぎまでを一続きで支援しています。費用は料金プランでご確認いただけます。採用ストップ診断(媒体アカウント・契約・進行中の応募者の棚卸し)までは無料ですので、まずはLINE公式からご相談ください。