前任者が最終面接まで仕切っていた場合、誰が最終を持つか
前任の採用担当が社長の予定を押さえ、当日は応募者を会議室へ案内し、面接が終わると社長の感想を聞いて、そのまま給与や入社日の話まで進めていた。最終面接はそうやって回っていたため、退職後は二次面接を通過した応募者がいるのに、最終の日程を誰も出せない状態になっています。
社長が面接に出ること自体は、前任者がいた頃と変わりません。止まっているのは、社長の前後で前任者が引き受けていた仕事です。この記事では、最終面接を「進行」「評価」「条件提示」の3つの役割に分け、社内の誰に割り振るかを整理します。
最終面接で前任者が担っていた3つの役割
最終面接は「社長が会って決める場」と思われがちですが、実際には次の3つの仕事でできています。
- 進行:日程の調整、応募者への案内、当日の受け入れ、終了後の合否連絡
- 評価:応募者を採るかどうかの判断と、その理由を残すこと
- 条件提示:給与・入社日・配属を伝え、応募者からの質問や交渉を受けること
前任者がこの3つを1人で抱えていた場合、退職によって3つが同時に止まります。評価は社長が担っていたように見えても、前任者が一次・二次の所見を要約して社長に渡し、社長はそれを読んで判断していた、という形だったかもしれません。その要約が無くなるだけで、社長は判断材料が足りないまま面接に臨むことになります。
| 役割 | 中身 | 割り振り先の候補 | 単独で持たせない方がよい人 |
|---|---|---|---|
| 進行 | 日程調整・案内・当日の受け入れ・合否連絡 | 管理部門(総務など) | 社長 |
| 評価 | 合否の判断と理由の記録 | 社長と配属先の部門長 | 進行役だけ |
| 条件提示 | 給与・入社日・配属の提示、交渉の受付 | 管理部門(決裁者の承認のもと) | 現場の面接官 |
ここからは、役割ごとに誰が持つかを見ていきます。
評価は社長と部門長で持つ
最終の合否をもともと社長が決めていた会社なら、決める人は社長のままで構いません。変えるべきなのは、社長に渡る材料です。前任者の要約の代わりに、配属先の部門長が二次面接までの所見をA4一枚にまとめて社長へ渡す形にします。書く内容は、二次で確かめたこと、気になった点、最終で社長に確かめてほしいことの3つで足ります。
部門長を最終面接に同席させるかどうかも、ここで決めておきます。同席すれば、配属後に一緒に働く立場からの判断が加わり、社長と部門長で見るところを分けられます。
社長が出張などで出られない時期に、部門長が最終を代わりに持てるかどうかも先に決めておいてください。代理を誰にするか、どの金額までなら代理で決めてよいかは、採用の可否を誰が決めるかを、紙に1枚で決めておくで決裁点ごとの書き方を整理しています。
評価の記録は、合否と理由を1行ずつ残すだけで十分です。前任者の頭の中にしか判断の理由が無かったことが、今の止まり方の一因になっているためです。
条件提示は管理部門が窓口になる
給与額や入社日を決めるのは社長でも、応募者へ伝えて交渉を受ける窓口は管理部門に置きます。最終面接の場で社長が口頭で金額を伝えると、記録が残らず、後から送る通知書の金額と食い違うことがあります。食い違いは、応募者から見れば会社への不信につながります。
窓口を管理部門に置くと、交渉が来ても「確認して◯日までにお返事します」と持ち帰れます。決裁者の判断を待ってから回答できるため、その場の勢いで条件を約束する事態を防げます。条件の伝え方や同席者の決め方は内定を出すとき、条件をどう伝えるか(オファー面談の組み立て)にまとめています。
前任者がどの水準で条件を出していたか分からない場合は、直近の入社者の労働条件通知書を確認してください。同じ職種で過去に出した金額と大きくずれていないかを、提示前に確かめられます。
社長1人に寄せると、日程が詰まりになる
前任者がいなくなったとき、最終面接まわりをすべて社長が引き取る形になる場合があります。社長が自ら日程を返信し、条件もその場で伝える形です。一見すると窓口が一つにまとまって早そうですが、社長の予定がそのまま最終選考の速度の上限になります。
| 項目 | 社長が全部持つ場合 | 3つに分担する場合 |
|---|---|---|
| 日程が決まるまで | 社長が予定を確認して返信するまで止まる | 進行役が押さえ済みの枠から候補日を出せる |
| 当日の受け入れ | 社長が会議室や受付の手配も気にする | 進行役が段取りし、社長は面接に集中できる |
| 条件の記録 | 口頭のやり取りが残りにくい | 管理部門が書面で残す |
| 社長が不在の時期 | 最終選考が丸ごと止まる | 代理の決裁者と進行役で動ける |
社長は商談や会議、外出で予定が埋まりやすく、メールの返信が後回しになることもあります。最終面接の段階にいる応募者は、他社の選考も並行して進めている場合があります。日程の返事を待つ間に他社の内定が出れば、応募者はそちらを選ぶことがあります。待たせることの影響は応募者への返信速度が採用結果をどう変えるかでも触れています。
進行役だけは管理部門に置く
そこで提案したいのが、評価と条件の決定は社長に残しつつ、進行役だけは管理部門の誰かに任せる形です。進行役がやることは次の3つです。
- 社長と部門長の面接枠を先に押さえる。たとえば週に2つ、最終面接用の時間帯を固定で空けてもらう
- 応募者には押さえ済みの枠から候補日を出し、当日の案内と受け入れを段取りする
- 面接後、社長と部門長から評価を受け取る期限を決め(たとえば翌営業日中)、合否を応募者へ連絡する
枠を先に押さえておけば、社長の返信を待たずに応募者へ候補日を出せます。進行役に採用の経験は要りません。必要なのは、連絡を止めない習慣と、社長に期限を切ってお願いできる立場です。
止まっている最終選考を今週動かす順番
- 二次面接を通過して最終待ちになっている応募者を一覧にし、待たせている日数を書き出す
- 進行役を決め、待たせている応募者へ担当交代と日程の目安を連絡する
- 社長と部門長の面接枠を押さえ、待たせている日数が長い人から候補日を出す
- 評価の記録の様式と、条件提示の窓口を社内に伝える
最終待ちの応募者がいる場合は、1と2を今日中に済ませてください。役割の割り振りが固まる前でも、連絡が途切れていないことを応募者に示すだけで、待ってもらえる余地が生まれます。
最終面接まわりの立て直しは、進行中の応募者の把握から始まります。誰がどの段階で止まっているかが見えないまま役割だけ決めても、応募者への連絡は動き出しません。採用担当引き継ぎ代行では、止まった選考の復旧から、後任の採用、引き継ぎと業務改善までを一続きで支援します。プランと費用は料金プランをご覧ください。採用ストップ診断(媒体アカウント・契約・進行中の応募者の棚卸し)までは無料です。まずはLINE公式からご相談ください。