求人写真・動画の元データと制作会社の連絡先が分からないとき
求人原稿の文章を直そうとして、写真だけがどうにもならない。掲載中の求人に使われている職場写真や社員インタビューの動画は誰かが撮ったはずなのに、元データが社内のどこにも見当たらず、制作を頼んだ会社の名前も前任者しか知らない。媒体の管理画面では画像が縮小された状態でしか扱えず、差し替えようにも手元に素材がない——採用担当が退職した後、原稿の見直しに着手した会社でよく詰まる場面です。
この記事では、制作会社を請求書から特定する手順、素材を再利用してよいかを確認するための質問、そして元データがどうしても出てこない場合にスマホ撮影で最低限そろえるカットを整理します。原稿の文章面の直し方は求人原稿を刷新するときに直す7か所で扱っているので、そちらとあわせて読んでください。
先に確認する。今の掲載は「直せない」のか「直さなくてよい」のか
写真が手に入らないという理由だけで原稿の修正を止めてしまうと、条件面の誤りまで放置されます。文言・給与表記・勤務地の記載は写真と関係なく直せることが多いので、先にそちらを進めてください。
写真の差し替えが急がれるのは、次のようなケースです。
- 写真に写っている社員がすでに退職している
- 移転・改装で、写っている職場が現在と違う
- 撮影時から仕事内容や設備が変わっており、応募者の誤解を招く
- 画像が粗く、媒体の推奨サイズに合っていない
このいずれにも当たらないなら、写真は当面そのままにして、文章と条件の修正を先に終わらせる判断で問題ないことが多いです。
制作会社を特定する。請求書からの逆算が最短
前任者のメールに入れないことが多いため、探す順番は「会社に必ず残る記録」から始めます。経理に残る支払記録は、社内で最も残存率が高い痕跡です。
| 探す場所 | 見るもの | 分かること |
|---|---|---|
| 過去2〜3年の請求書・支払明細 | 「撮影」「制作」「ディレクション」などの摘要 | 制作会社名、金額、実施時期 |
| 稟議書・発注書の控え | 発注時の見積書、作業範囲の記載 | 何を何点作ったか、納品形式 |
| 求人媒体の営業担当 | 媒体側で撮影を手配した記録 | 媒体の制作部門が撮っていた場合の所在 |
| 会社のWebサイト制作会社 | 採用ページと同時に撮影した可能性 | 同じ素材が別用途で残っていないか |
| 社内の共有サーバ・NAS | 「写真」「素材」等の古いフォルダ | 縮小前の元データが残っていることがある |
意外に多いのが、求人媒体の掲載料に撮影費が含まれていて、媒体の制作部門やその協力会社が撮影しているケースです。この場合、請求書には撮影費が別立てで載らないことがあります。媒体の営業担当に「過去にこの求人の写真を撮っていただいた記録はありますか」と聞くと、社内記録から出てくることがあります。契約中の媒体を一覧化する手順は求人媒体の棚卸しで何を確認するかにまとめています。
制作会社に連絡がついたら、5つを確認する
連絡先が分かっても「データをください」だけでは進まないことがあります。撮影素材は、保管の有無・著作権の帰属・使ってよい範囲が別々の論点だからです。
- 当時の元データ(撮影原本・編集前データ)は保管されていますか。提供は可能ですか。費用はかかりますか。
- 写真・動画の著作権はどちらに帰属する契約でしたか。
- 撮影した媒体以外(自社採用ページ、別の求人媒体、会社案内)に使ってよい範囲はどこまでですか。
- 使用期間の定めはありますか(〇年間など)。
- 写っている社員から取得した同意書の控えは残っていますか。
制作物の著作権は制作会社に残り、発注側には使用許諾のみが与えられる契約になっていることがあります。またデータの保管期間を「納品後1〜2年」と定めている制作会社もあり、時間が経つと原本が消えている場合があります。いずれも確認してみないと分からないため、まず聞くのが早道です。
聞いた内容は、口頭で終わらせずメールで残してください。数年後に同じ問題が起きたとき、この1通が手がかりになります。
元データが出てこない場合、スマホ撮影で足りる
制作会社が特定できない、廃業している、データが残っていない。このいずれかに当たることは珍しくありません。その場合、プロに撮り直してもらう前に、まず社内のスマートフォンで暫定の差し替え素材をそろえます。近年の求人媒体は画質より「実際の職場が分かること」を重視する傾向があり、応募者もスマホで閲覧するため、暫定としては十分に機能することが多いです。
最低ラインは、次の8〜10枚です。
| 撮るもの | 枚数の目安 | 押さえどころ |
|---|---|---|
| 建物の外観・入口 | 1枚 | 応募者が当日迷わないための情報も兼ねる |
| 働いている場所の全景 | 2枚 | 人が入っている状態で。無人だと伝わりにくい |
| 実際の作業の手元 | 2枚 | 何を扱う仕事かが一目で分かる寄りの写真 |
| 一緒に働く人 | 1〜2枚 | 配属先の同僚。顔が分かる場合は本人の同意を取る |
| 休憩室・更衣室・食堂 | 1枚 | 生活面の不安に答える |
| 設備・車両・道具 | 1枚 | 職種によって差が出る部分 |
撮り方で気をつける点は多くありません。横向き(横長)で撮る、日中の明るい時間に撮る、逆光を避ける、撮る前に周囲を片付ける、個人情報が書かれた書類やモニターが写り込んでいないか確認する。この5つで大半は避けられます。
動画については、代わりを急いで作る必要はないことが多いです。中身の薄い動画を置くより、写真を増やして原稿の説明を厚くするほうが応募者の判断材料になります。
写っている人の扱いを先に決める
退職した社員が写真や動画に残っている場合、本人から掲載停止の申し出が来ることがあります。また在籍中の社員でも、撮影時の同意が「この媒体のこの期間」に限られていることがあります。
暫定撮影の段階で、次のルールを決めておくと後で揉めにくくなります。
- 顔が分かる形で撮る場合は、口頭ではなく簡単な書面かメールで同意を取る
- 用途(掲載する媒体、自社サイト、会社案内)を同意時に明示する
- 退職時に、写真の継続利用の可否を確認する項目を退職手続きに入れる
顔が写らない角度(手元、後ろ姿、俯瞰)でそろえておくと、人の入れ替わりに強い素材になります。
二度と同じことが起きない置き場所をつくる
今回の問題の根は、素材が個人のPCと個人のメールにしかなかったことです。撮り直した写真を同じ場所に置くと、同じ状況が数年後に再現します。
共有フォルダに採用素材の置き場を1つ作り、次の情報を同じ場所にそろえてください。
- 写真・動画の原本(媒体にアップした縮小版ではなく元ファイル)
- 撮影日・撮影場所・写っている社員名
- 同意書、または同意を取ったメールの控え
- 制作会社名、担当者名、見積書と請求書の写し、納品時の契約条件
ファイル名を「撮影年月_場所_内容」で統一しておくだけでも、後任が探せる状態になります。素材の所在は引き継ぎ書に載せるべき項目の一つで、他の項目とあわせて採用業務の属人化を解く。引き継ぎ書に必ず書く12項目で整理しています。
写真で止まっているなら、順番を入れ替える
素材探しは時間がかかる作業です。制作会社からの返答を待つ間、求人が止まったままになるほうが損失は大きくなりやすい。文章と条件を直して掲載を戻し、写真は暫定のスマホ撮影で差し替え、元データは並行して探す。この順番で進めるほうが、結果的に早く復旧することが多いです。
素材の所在確認、媒体アカウントや契約の洗い出し、進行中の応募者の整理まで、社内の手が足りない場合は外部に任せる選択肢もあります。採用担当引き継ぎ代行では、止まった求人活動の復旧から、後任の採用、引き継ぎと業務改善までを一続きで引き受けています。後任は採用担当の経験者でなくてよく、当社が育てて引き継ぎます。費用は料金プランに掲載しています(標準プランは4ヶ月・200万円/税別・広告費込み・分割可)。
採用ストップ診断(媒体アカウント・契約・進行中の応募者の棚卸し)までは無料です。 ご相談はLINE公式からお受けしています。まずは現状を一緒に洗い出すところから始めてください。