応募者への返信速度が採用結果をどう変えるか
応募が来ているのに面接に至らない。この状態のとき、原因は原稿でも給与でもなく返信の速さであることがあります。
返信速度は、採用の中でもっとも費用をかけずに改善できる項目です。媒体費も人件費も増やさずに、面接設定率が変わります。
応募者は同時に複数社へ応募している
前提として、求職者は1社ずつ応募しません。求人サイトの応募ボタンは登録済みの情報で送信できるため、気になった求人にまとめて応募するのが普通の行動です。
この状況で何が起きるかというと、応募者の中に自然と順番ができます。
- 最初に返信が来た会社と話す
- その会社の選考が進む
- 後から返信が来た会社は「もう他社で進んでいる」状態で受け取る
先に返信した会社が、先に候補者の時間を取ります。 給与や知名度で勝っていても、順番で後ろに回ると土俵に上がれません。
遅れが効いてくる境目
返信までの時間で、応募者側の状態はこう変わります。
| 経過時間 | 応募者側の状態 |
|---|---|
| 当日中 | まだ応募したことを覚えている。他社の選考も始まっていない |
| 2〜3日 | 他社の面接日程が入り始める。この会社の優先度が下がる |
| 1週間 | 応募したこと自体を忘れている。返信が来ても「今さら」と受け取る |
| 2週間以降 | 他社で内定が出ている可能性がある |
境目は3日です。ここを超えると、返信しても日程が合わなくなります。
「1週間以内に返信」という社内ルールを置いている会社は少なくありませんが、このルール自体が遅すぎます。
返信内容より速さが効く
丁寧な文面を作ろうとして返信が遅れるのは、順序が逆です。
初回の返信でやることは1つだけ、日程を押さえることです。会社の魅力を伝えるのは面接の場でできます。初回返信の役割は、応募者のカレンダーに自社の予定を先に入れることです。
そのため初回返信は、次の3点があれば足ります。
- 応募への御礼
- 選考の流れ(何回あるか、所要時間)
- 面接候補日を3つ以上
候補日を出さずに「ご都合はいかがですか」と聞くと、往復が1回増えます。 この1往復で2〜3日が消えます。
なぜ返信が遅れるのか
担当者が怠けているわけではありません。遅れには構造的な理由があります。
1. 応募通知に気づいていない
媒体からの通知メールが、他のメールに埋もれています。担当者個人のアドレスに届く設定になっていると、その人が見るまで誰も気づきません。
2. 現場の面接可能日が分からない
日程を出すには、面接官のスケジュールを押さえる必要があります。現場に確認して返事を待つ間に2〜3日経ちます。
3. 文面をゼロから書いている
毎回書き起こしていると、まとまった時間が取れるまで着手できません。
4. 担当が1人しかいない
その人が休んだ日、外出した日、繁忙期に入った週は、そのまま止まります。これは能力ではなく体制の問題です。詳しくは採用担当が一人しかいない会社のリスクを整理するにまとめました。
速くするための仕組み
1. 通知先を共有アドレスにする(最優先)
媒体の応募通知を recruit@ のような共有アドレスに変更します。複数人が見られる状態になれば、担当者が不在でも誰かが気づきます。
あわせて、スマートフォンに通知が届く設定にします。応募は夜間や休日にも入ります。
この変更は費用がかからず、当日中にできます。 効果はもっとも大きい部類です。
2. 面接候補日を先に確保しておく
現場に毎回確認するのをやめ、面接枠を先に押さえます。「毎週火・木の14〜17時は面接枠」と決めて現場のカレンダーに入れておけば、応募が来た時点で確認なしに候補日を出せます。
枠が埋まらなかった日はそのまま通常業務に戻すだけなので、損はありません。
3. テンプレートを用意する
最低限、次の5種類があれば当日返信ができます。
- 応募御礼+日程候補の提示
- 日程確定の連絡
- 面接前日のリマインド
- 見送りの連絡
- 内定の連絡
テンプレートの効果は速さだけではありません。担当者が変わっても対応の質が落ちないという効果があります。引き継ぎの観点は採用業務の属人化を解く。引き継ぎ書に必ず書く12項目にまとめています。
4. 一次返信だけ他の人でも返せるようにする
日程調整までを総務や事務の担当者でも返せる状態にします。選考の判断は採用担当が行い、返信という行為だけを複線化します。
自動返信では代替できない
媒体には応募時の自動返信機能があります。これは「届きました」という確認にはなりますが、日程が進みません。
応募者から見ると、自動返信は返信のうちに入りません。自動返信を設定していることで対応した気になってしまう方が、リスクとしては大きいです。
すでに止まっている場合
担当者の退職などで応募対応が数週間止まっているなら、速さの改善より先に掘り起こしが必要です。放置された応募者がどうなるか、どこから連絡すべきかは求人を止めている間に応募者はどうなるのかにまとめています。
まとめ
- 応募者は複数社に同時応募している。先に返信した会社が先に時間を取る
- 境目は3日。1週間以内という社内ルールは遅すぎる
- 初回返信の役割は日程を押さえることだけ。候補日を3つ以上出す
- 通知先を共有アドレスに変える、面接枠を先に確保する、テンプレートを持つ
当社の採用担当引き継ぎ代行では、ご相談から3営業日で応募者への対応を再開します。返信の仕組み化と応募対応テンプレート集の納品も含みます。現状で何日遅れているかの確認(採用ストップ診断)までは無料です。