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選考回数を3回から2回に減らしてよいか

採用担当が辞めたあと、最初に詰まるのは合否の判断ではなく面接の調整です。一次は現場の課長、二次は部長、最終は社長。三者の空き枠を応募者の希望と突き合わせる作業を前任者が一人でやっていた場合、その役割が抜けた途端に日程が決まらなくなります。「選考を1回減らせば回るのでは」という発想が出てくるのは自然なことです。

結論から言えば、減らしてよい場合はあります。ただし全職種を一律に2回へ落とすと、見極めが甘くなった分が入社後に返ってきやすくなります。この記事では、どの募集なら減らしてよいのか、減らす代わりに何で補うのか、決めたあと社内と応募者にどう伝えるのかを順に整理します。

減らす効果は「見極め」ではなく「日数」に出る

選考回数を1回減らして短くなるのは、面接そのものの時間ではありません。短くなるのは、面接と面接のあいだに挟まる待ち時間です。合否の連絡、次の面接官の空き枠探し、応募者側の調整。1回あたり1〜2週間かかることが珍しくなく、担当が不在ならさらに延びます。

応募者の多くは同時に数社を受けています。他社が先に内定を出せば、選考の途中であってもそちらで意思決定が進みます。選考期間が延びるほど辞退が起きやすくなるのは、自社の評価が下がるからではなく、他社の結論が先に出るからです。 つまり選考回数の削減は「見極めを雑にする判断」ではなく「結論を出す日を前に倒す判断」として扱うのが正確です。

日程調整そのものが詰まっているなら、回数を減らす前に調整のやり方を変えるほうが早く効くこともあります。面接官の空き枠を先に押さえる方法は面接の日程調整が止まったときの立て直し方にまとめています。

減らしてよい条件、減らさないほうがよい条件

判断は募集単位で行います。会社として一律に決めず、職種ごとに次の表で確かめてください。

観点2回に減らしやすい3回のまま残したい
職種業務範囲が決まっている現場職・事務職管理職、採用責任者、少人数の専門職
採用人数複数名を継続的に採る枠1枠だけ、代わりがいない枠
最終決裁者一次から同席できる、または録画・記録で判断できる最終面接でしか会えない
入社後の配属配属先が固定で、受け入れ担当が決まっている複数部署で取り合いになる
現状の辞退二次〜最終のあいだで辞退が出ている辞退より入社後のミスマッチが課題

左側が3つ以上当てはまるなら、2回への変更を検討してよい場面が多いと言えます。逆に、最終決裁者が一次に出られず、採用枠が1つしかない募集で回数だけ削ると、誰も止められないまま採用が決まる状態になりがちです。

減らす場合、なくすのは通常「二次」です。一次(現場の目線)と最終(決裁)は役割が違うため、統合しにくいからです。二次をなくす代わりに、一次に現場の責任者ともう一人を同席させ、一次の情報量を厚くします。

なお、辞退がどの段階で起きているかが分からないまま回数だけ変えると、原因の違う対策になります。段階別の点検は内定辞退が続くときに見直すことを先に確認してください。

減らした1回を、何で補うか

抜いた回で失われるのは「応募者が会社を見る時間」と「会社が応募者の素の様子を見る時間」の両方です。面接という形式でなくても補えます。

補う手段所要主に補えるもの
職場見学(15〜30分、実際の作業場所を歩く)面接の前後に接続応募者側の納得感、入社後のギャップ縮小
現場社員との面談(評価しない、質問に答えるだけ)30分応募者の不安解消、働き方の実像
オファー面談(条件を読み合わせる場)30分条件の認識違い、入社日・配属の確認
一次面接の記録を最終決裁者に回す10分の読み込み最終での判断材料

このうち、最初に足すなら職場見学です。面接官を増やさずに実施でき、日程の制約も小さいためです。現場社員との面談は「評価の場ではない」と応募者にも社員にも伝えてください。合否に関わると伝わると、応募者は本音を聞けず、社員は構えてしまいます。

オファー面談は、回数を減らすかどうかにかかわらず置いたほうがよい場です。選考が短い分、条件の説明に充てる時間も減っているからです。進行の組み立ては内定を出すとき、条件をどう伝えるか(オファー面談の組み立て)にまとめています。

決めたら、社内と応募者に何をどう伝えるか

社内には、変更した事実だけでなく「何が増えるか」を同時に伝えます。二次をなくすと、一次の面接官が負う判断の重さが増し、最終決裁者が読む記録の量も増えます。ここを伝えずに回数だけ減らすと、現場は「採用のハードルが下がった」と受け取ることがあります。

社内向けに確定させておきたいのは次の4点です。

  1. 対象の募集(どの職種を2回にするか。全職種ではない)
  2. 一次の同席者(誰と誰が出るか)
  3. 一次の記録に残す項目(最終が読む前提の3〜5項目)
  4. 元に戻す条件(後任が立ち上がる、面接官が増える、など)

応募者への告知は、選考中か新規かで分けます。すでに一次を終えて二次の案内を待っている人に「回数が減った」とだけ伝えると、選考を打ち切られたと受け取られることがあります。「次回が最終となり、その場で条件のご説明までお伝えします」と、短くなった理由ではなく次に起きることを書くほうが伝わります。新規の応募者には、求人原稿と初回返信の選考フロー欄を2回に直しておきます。ここを直し忘れると、原稿は3回のまま案内は2回という食い違いが残ります。

戻すときの目安

回数の削減は、担当不在の期間をしのぐための暫定措置として始めて構いません。ただし「暫定」と言ったまま1年続くと、それが標準になります。後任が着任して日程調整を担えるようになった時点、あるいは面接官を増やせた時点で、一度戻すかどうかを議論してください。戻す判断の材料は、短縮後に入社した人の立ち上がり方と、選考中の辞退がどう変わったかの2つです。

減らすか戻すかを毎回ゼロから議論しないために、募集ごとの選考回数と面接官を1枚に書き出しておくと、後任が引き継ぐときにも使えます。


選考回数の見直しは、止まった採用を動かすための一手ではありますが、根本にあるのは「調整する人がいない」という状態です。株式会社Talencoの採用担当引き継ぎ代行は、止まった求人活動の復旧、後任の採用、引き継ぎと業務改善までを4ヶ月で請け負います。後任は採用担当の経験者でなくても構いません(当社が育てて引き継ぎます)。費用は料金プランに掲載しています。

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