引き継ぎ代行を頼んで、後任が採れなかったらどうなるか
採用担当が辞めて採用が止まり、外部に頼もうかと考えている。見積もりも説明も受けた。それでも最後に引っかかるのが「お金を払って、結局後任が採れなかったらどうなるのか」という一点ではないでしょうか。聞けば水を差すようで切り出しにくく、かといって聞かずに判断するには金額が大きい。
この記事は、その質問を代わりに整理したものです。採用は相手のある話なので、どの会社も「採れます」と言い切ることはできません。だからこそ、採れなかったときに何が起きるかを契約前に文字にしておくことが、金額の比較より先に効きます。
「採用の成功」を100%約束できる会社はない
後任の採用は、求人を出して、応募を集めて、面接して、相手が承諾して初めて完了します。最後の承諾は応募者側の意思なので、どれだけ丁寧に進めても外れることはあります。他社と比較されて辞退される、家庭の事情で転職自体をやめる、入社直前に現職に引き止められる。いずれも珍しい話ではありません。
したがって、発注側が見るべきは「採れると言い切るかどうか」ではなく、採れなかったときの扱いが契約書に書いてあるかどうかです。言い切る会社ほど、その条件が口頭だけで残っていないことがあります。
契約前に確認する4つの論点
聞きにくい質問は、感情を乗せずに項目として並べると聞きやすくなります。以下の4つを、見積もりを受け取った時点でそのまま質問してください。
| 論点 | そのまま使える質問 | 曖昧だと起きること |
|---|---|---|
| 期間延長 | 期間内に後任が決まらない場合、延長はありますか。延長の判断は誰がいつしますか | 期間が終わった瞬間に支援が切れ、募集中の求人だけが残る |
| 追加費用 | 延長する場合の費用は。広告費は誰の負担ですか | 「広告費込み」のつもりが、追加の媒体費を別途請求される |
| 途中解約 | こちらの都合で中止する場合、どの時点までの費用が発生しますか | 全額前払いで、残り期間分が戻らない |
| 残る成果物 | 契約が終わった時点で、社内に何が残りますか | 支援は受けたのに、手順も媒体情報も外部側にしか無い |
特に3つ目の途中解約は、欠員が社内異動で埋まった、業績が変わって採用を止めた、といった発注側の事情でも起こります。採用が順調でも契約を終えたくなる場面はあるので、先に聞いておいて損はありません。
4つ目の「残るもの」は、採れなかった場合にこそ価値が出ます。この点は引き継ぎ代行が終わったとき、社内に何が残るのかで詳しく整理しています。
当社の場合、どう扱うか
当社の標準プランは4ヶ月・200万円(税別・広告費込み・分割可)です。ほかに復旧のみの2ヶ月80万円、完全支援の6ヶ月300万円があります。詳しい内訳は引き継ぎ代行の200万円は何に対する費用なのかをご覧ください。
後任が期間内に決まらなかった場合の扱いは、契約前の面談で必ず文字にしてお渡しします。前提として「採用人数の保証」はしていません。代わりに、採れない確率を下げる設計を先に入れています。
ひとつは、後任を採用担当の経験者に限定しないことです。「人事経験3年以上」で募集すると応募が集まりにくく、単価も上がります。当社は未経験者を採用し、4ヶ月で実務を引き継ぐ前提で設計しているため、募集の母集団が広くなります(採用担当の後任、未経験でも大丈夫?4ヶ月で育てる方法)。
もうひとつは、後任の採用より先に求人活動の復旧を終えることです。媒体の権限を取り戻し、進行中の応募者に連絡を入れ、原稿を直す。この部分は後任が決まるかどうかと関係なく進み、終われば社内に残ります。仮に後任の採用が期間内に完了しなくても、止まったままの状態には戻りません。
採れない原因が、こちら側にある場合もある
正直に書きます。後任が決まらない原因は、外部側の進め方だけではありません。発注側に要因があるケースは実際にあります。
| 発注側の要因 | 起きること | 着手前に握っておくこと |
|---|---|---|
| 提示給与が地域・職種の相場より低い | 応募が集まらない、内定辞退が続く | 相場を調べ、上限額と決裁者を先に決める |
| 面接の決裁に1〜2週間かかる | 応募者が他社に先に決まる | 選考結果は何営業日以内に返すかを決める |
| 面接官の枠が週に出てこない | 日程調整が滞り、辞退が増える | 週あたりの面接可能枠を事前に確保する |
| 求める人物像が途中で変わる | 募集要件のやり直しで期間を消費する | 募集開始後に変更する場合の手順を決める |
この4つが整っていない状態で期間だけが進むと、誰の責任かが曖昧なまま終わります。当社は着手前の面談で、この4点を確認します。満たせない項目がある場合は、その影響をあらかじめ共有したうえで進め方を調整します。
給与の目安を自社で調べる手順は募集職種の給与が相場に合っているか、自社で調べる方法にまとめました。相場からずれたまま募集を続けている場合、外部に頼んでも結果が変わりにくいことがあります。
「採れなかった」にも段階がある
ひとくちに採れないと言っても、中身は分かれます。応募が1件も無かったのか、面接まで進んだが辞退されたのか、内定を出したが承諾されなかったのか。どこで止まったかによって、次にやることが違います。
応募がゼロなら、募集の出し方(求人票の書き方・掲載先・給与)を直す話になります。後任の募集を出したのに応募が来ないときで点検箇所を整理しています。面接以降で落ちているなら、選考のスピードや条件の伝え方が論点になります。
契約期間が終わる前に、どの段階で止まっているかを共有しておくと、延長するかどうかの判断材料になりやすくなります。当社は週次で進捗を報告し、採用人数ではなく「応募数・面接設定数・未対応件数」といった手前の数字も合わせてお出しします。
残るものを先に確認してから決める
後任が採れなかった場合でも、社内に残る想定のものを挙げます。
- 復旧した求人(媒体アカウント、契約一覧、修正済みの求人原稿)
- 進行中・過去の応募者リストと、その時点の選考状況
- 採用業務の手順書と、合否判断のチェック表
- 週次の報告様式と、誰が何を担うかの分担表
これらは後任の有無にかかわらず残ります。逆に言えば、見積もりを比較するときは金額だけでなく「終わった時点で何が手元に残るか」を並べて見ると、同じ金額でも中身の差が見えやすくなります。
採用は相手のある仕事なので、結果を保証する契約にはできません。できるのは、採れなかったときに何が起きるかを先に決めておくことと、採れない確率を下げる条件を双方で握っておくことです。
採用担当引き継ぎ代行では、契約前に期間・費用・解約・成果物の扱いを文書でお渡しします。料金プランもあわせてご確認ください。相談は LINE公式からお受けしており、採用ストップ診断(媒体アカウント・契約・進行中の応募者の棚卸し)までは無料です。発注するかどうかを決める前の段階で構いません。