引き継ぎ代行を依頼する前に、社内で用意しておくもの
外部に頼むと決めたあと、実際に動き出すまでの時間は「社内に何が揃っているか」でかなり変わります。契約を結んでも、媒体の契約先が分からない、進行中の応募者が誰なのか誰も答えられない、掲載再開の可否を決める人が決まっていない——この状態だと、最初の2週間は事実確認だけで消えていきます。
ここでは、依頼前に社内で先に揃えておくと着手が早まるものを整理します。すべてを完璧に揃える必要はありませんが、「誰が答えられるか」だけは決めておいたほうが早く進みます。あわせて、社内窓口を誰にするかという、金額よりも進行速度に効く論点も扱います。
発注前に揃えると早いもの、4種類
いきなり資料を作り込む必要はありません。探す場所と持ち主が分かれば十分です。
| 揃えるもの | どこを見れば出てくるか | なぜ着手前に必要か |
|---|---|---|
| 求人媒体の請求書(直近6〜12ヶ月分) | 経理の支払記録、クレジットカード明細 | 契約している媒体と月額の実態が分かる。前任者の記憶に頼らずに済む |
| 契約書・申込書 | 総務の契約ファイル、前任者のメール | 契約期間、自動更新の有無、解約の申し出期限を確認するため |
| 進行中の応募者一覧 | 媒体の管理画面、前任者のメール、面接室の予約履歴 | 対応が止まっている人を先に保護するため |
| 決裁ルート | 稟議規程、過去の採用関連の承認履歴 | 掲載再開や条件変更を止めずに進めるため |
請求書からの逆算で契約を洗い出す手順は求人媒体の棚卸しで何を確認するかにまとめています。管理画面に入れない場合も、請求書があれば契約先の特定から進められます。
進行中の応募者一覧は、精度より速さ
一覧を作ろうとすると、つい表を整えたくなります。しかし依頼前に必要なのは「今、返信を待っている人がいるかどうか」の把握だけです。氏名・応募日・応募経路・最後のやりとりの日付、この4項目が分かる範囲で書き出せば足ります。
引き継ぎメモが残っていない場合、この作業自体が難しいこともあります。その場合は無理に完成させず、着手後に一緒に洗い出す前提で構いません。手がかりの探し方は引き継ぎメモが無いとき、何から手をつけるべきかを参照してください。
決裁ルートを、金額と日数で先に決める
外部が入って作業が動き出すと、社内の判断待ちが最大のボトルネックになります。発注前に「誰が、いくらまで、何日で決めるか」を書き出しておくと、往復の待ち時間が減りやすくなります。
| 決めることの例 | 決める人を先に指名 | 返答期限の目安 |
|---|---|---|
| 掲載を再開する媒体と予算 | 管理部門責任者または社長 | 2営業日以内 |
| 求人原稿の内容(仕事内容・条件) | 配属先の部門長 | 3営業日以内 |
| 給与レンジの変更 | 社長 | 5営業日以内 |
| 面接日程の確定 | 面接担当者 | 1営業日以内 |
| 内定の可否 | 社長 | 2営業日以内 |
期限は目安です。自社の稟議の実態に合わせて置き換えてください。重要なのは日数を決めること自体で、「決まり次第」にしておくと止まります。
社内窓口を誰にするか
窓口に必要なのは採用の知識ではなく、連絡を止めない習慣と社内に声をかけられる立場です。総務や管理部門の担当者、経営に近い管理職が向くことが多いです。
社長本人が窓口だと止まりやすい
社長が窓口を兼ねると、決裁は速い一方で、日々の細かい確認が滞りがちです。外出や商談で半日連絡が取れない時間帯が多く、応募者への返信や日程調整のような「小さいが急ぐ」やりとりが翌日以降にずれます。応募者側の動きは待ってくれないため、この遅れは辞退につながることがあります。
現実的なのは、日常の窓口を担当者に置き、社長は決裁事項だけを見る二層構造です。窓口は原則1名、不在時の代理を1名決めておくと事故が減ります。
丸投げできる範囲と、できない範囲
発注前にここを握っておくと、後の「思っていたのと違う」を避けやすくなります。
- 外部に出しやすい:媒体の契約整理、原稿の作成と改善、応募者への一次対応、日程調整、後任候補の募集と一次選考、手順書の作成
- 社内に残るもの:面接官の確保、配属先への説明、給与や条件の決裁、最終面接、入社手続き
面接官の時間と決裁は代行できません。ここを空けておかないと、応募が戻ってきた時点で再び詰まります。切り分けの考え方は採用業務を社内と外部でどう分けるかで詳しく整理しています。
揃っていなくても、着手はできる
念のため補足すると、上記が揃わないと依頼できないわけではありません。当社の標準プラン(4ヶ月・200万円/税別・広告費込み・分割可)では、契約や応募者の棚卸し自体を初期の作業に含めています。ただし、請求書と決裁ルート、社内窓口の3つが先に決まっているケースは、掲載再開までの立ち上がりが早い傾向があります。
まずは、社内で答えられる人がいるかどうかの確認から始めてください。媒体アカウント・契約・進行中の応募者の棚卸し(採用ストップ診断)までは無料でお手伝いしています。進め方は採用担当引き継ぎ代行、費用の内訳は料金プランをご覧ください。ご相談はLINE公式アカウントから受け付けています。