お金をかけずに後任を採れるか。無料の手段だけで試す範囲
採用担当が辞めたあと、後任を採るための予算がその場で出てくる会社は多くありません。前任者が使っていた媒体の契約も宙に浮いていて、まず費用ゼロで試せることから始めたい――という判断は、経営としては自然です。実際、無料の手段だけで後任が決まるケースはあります。
ただし「無料で試す」と「無料で粘る」は別物です。期限を決めずに無料手段だけで続けると、欠員期間が延び、そのあいだの負担は別の場所に積まれていきます。この記事では、無料で使える手段がどこまで期待できるのか、効きやすい条件と効きにくい条件、そして何週間で有料へ切り替えるかの打ち切り基準の決め方を整理します。
費用ゼロで使える手段は、だいたい4つ
採用担当の後任募集で、追加費用をかけずに動かせる手段は次の4つに整理できます。
| 手段 | 費用 | 期待できること | 準備の手間 |
|---|---|---|---|
| ハローワーク | 無料 | 地域在住者からの応募。事務系は一定の閲覧がある | 求人票の作成・窓口またはマイページでの手続き |
| 求人サイトの無料掲載枠 | 無料(有料オプションあり) | 検索経由の流入。掲載直後に動きが出やすい | アカウント整備と原稿作成 |
| 自社の採用ページ | 実質無料(更新工数のみ) | 社名を知っている人、紹介で来た人の受け皿 | 更新権限の特定とフォームの動作確認 |
| 社員紹介(リファラル) | 原則無料(謝礼を出す場合は別途) | 人柄が分かっている候補者。選考の歩留まりが高くなりやすい | 社内への依頼と断り方の設計 |
注意したいのは、これらが「今すでに動いている前提」ではないことです。ハローワーク求人は掲載期限があり、担当者不在の間に失効していることがあります(ハローワーク求人が失効している/内容が古いときの再掲載手順)。自社の採用ページや無料掲載枠は、逆に古い条件のまま生き残って応募が届いている場合があります(自社の採用ページと無料掲載が放置されているとき)。
無料手段を試す前に、まず現状が「止まっている」のか「古いまま動いている」のかを確認してください。 ここを飛ばすと、応募が来ない理由が露出不足なのか原稿の内容なのか切り分けられなくなります。
無料手段が効きやすい条件と、効きにくい条件
同じ無料掲載でも、募集条件によって結果は大きく変わります。傾向としては次のように分かれます。
効きやすい条件
- 勤務地が住宅地や駅の近くで、地域内から通える範囲に対象者がいる
- 未経験可で、応募のハードルを下げられる
- 事務職・管理部門系など、求職者側の検索数が比較的多い職種
- 給与や勤務時間が、同エリアの同種求人と比べて見劣りしない
- 社員数がある程度あり、紹介を頼める相手が社内に複数いる
効きにくい条件
- 「人事経験3年以上」「採用実務の即戦力」など経験を限定している
- 給与の上限が、同業同エリアの相場より低い位置にある
- 勤務地が交通の便の悪い場所にある、または転居を前提にしている
- 募集の緊急度が高く、1〜2ヶ月以内に入社してほしい
- 社員数が少なく、紹介の母集団がそもそも小さい
採用担当の後任募集は、経験者に絞らなければ「未経験可の管理部門職」として組めるため、無料手段と相性が悪くない部類に入ります。逆に経験者限定にすると、無料枠ではほぼ動かないことが多く、その時点で有料の手段が前提になります(採用担当の後任を人材紹介で採ると総額いくらかかるか)。
社員紹介は、求人が止まっている期間でも今日から動かせる唯一に近い手段ですが、声のかけ方と断り方を設計しないと社内に気まずさが残ります。運用の細部は求人が止まっている間、社員紹介(リファラル)で動かせるかにまとめています。
打ち切り基準を、始める前に決めておく
無料手段でいちばん危ないのは、「もう少し待てば来るかもしれない」で判断が後ろに流れることです。掲載は生きているので何かをやっている感覚が続き、月日だけが過ぎます。
対策は単純で、始める前に打ち切り日と条件を決めておくことです。目安として、次のような区切り方があります(応募の入り方は職種と地域で差が大きいため、あくまで運用上の目安です)。
| 経過 | 見る数字 | 数字が動いていない場合の手当て |
|---|---|---|
| 1週目 | 掲載が公開されているか、フォームが届くか | 技術的な詰まりを解消する。露出不足と混同しない |
| 2週目終了時 | 応募数・問い合わせ数 | 原稿の職種名と仕事内容を書き直す。経験要件を外す |
| 4週目終了時 | 面接に進んだ人数 | 給与・勤務条件を見直す判断に入る |
| 6週目終了時 | 内定を出せる人に会えたか | 有料手段への切り替えを決裁にかける |
決めておくべきは、この表の最後の行です。「6週間やって面接可能な候補者に会えていなければ有料に切り替える」と先に社内で合意しておけば、切り替えの判断がその都度の議論になりません。打ち切り基準は、応募数ではなく「会えたかどうか」で置くほうがぶれにくいです。
無料で粘るあいだも、支出は別の場所で発生している
費用ゼロの手段は、会計上の支出が出ないだけで、負担そのものが消えるわけではありません。無料期間が延びると、次のようなものが積み上がります。
- 兼任者の時間。応募対応・日程調整・面接同席を本業と並行して続けることになります
- 現場の欠員。採用担当の後任が決まらない限り、他職種の募集も再開しにくい状態が続きます
- 判断できる人の消耗。社長や管理部門長が一次面接まで持つ体制は、数週間なら持っても数ヶ月は難しいことが多いです
- 前任者の記憶。退職から時間が経つほど、聞ける内容も聞ける相手も減ります
つまり無料手段は「安い」のではなく、「金額が見えない形で支払っている」と考えるのが実態に近いです。だからこそ、試す価値はあるが期限を切る、という運用になります。
無料で試す範囲のまとめ
整理すると、こうなります。
- 未経験可・地域密着・管理部門系の募集なら、無料手段だけで後任が決まる可能性は十分にある
- 経験者限定、給与が相場より低い、1ヶ月以内に入社が必要、のいずれかに当てはまるなら、無料手段だけで完結しにくい
- 始める前に「いつまで、どこまで進んでいなければ切り替えるか」を紙に書いて共有する
- 無料期間中も、兼任者の時間と現場の欠員というコストは発生し続ける
当社の採用担当引き継ぎ代行は、止まった求人活動の復旧、後任の採用、引き継ぎと業務改善までを4ヶ月200万円(税別・広告費込み・分割可)で行っています。復旧だけを先に済ませる2ヶ月80万円のプランもあります。後任は採用担当の経験者でなくてよく、当社が育ててから引き継ぐ前提で設計しています。
無料手段でどこまで行けるかの見立て自体も、現状を棚卸ししないと立ちません。採用担当引き継ぎ代行では、採用ストップ診断(媒体アカウント・契約・進行中の応募者の棚卸し)までを無料で行っています。費用の内訳は料金プランをご確認のうえ、まずはLINE公式からご相談ください。