外注を続ける場合と内製に戻す場合、2年目以降の費用はどう違うか
採用担当が辞めたあと、とりあえず外部に任せて求人を立て直した。その契約が1年近くになり、更新の見積もりが届いている——という場面です。止まっていた採用は動くようになった。けれど毎月の委託費は固定で出ていくし、社内には相変わらず採用を分かっている人がいない。このまま続けるべきか、社内に担当を置いて戻すべきか。
この判断は「外注は高い/安い」では決まりません。年間に何人採るのか、採用以外の業務をその人に載せられるのか、そして切り替えにどれだけの手間がかかるのか。この3つを並べて初めて比較できます。
2年目の分岐は、3つしかない
更新時期に取りうる選択肢は、実際には次の3つに収まることが多いです。
- 外注を継続する(同じ範囲、または範囲を縮めて更新)
- 社内に採用担当を置いて内製に戻す(採用・育成が必要)
- 兼任者+スポットの外注という折衷に移す
3つ目は一見ちょうど良く見えますが、兼任で回せる範囲には限界があります。この線引きは総務兼任で採用を回す限界はどこにあるかで整理しているため、ここでは1と2の費用差に絞ります。
年間コストを同じ土俵に乗せる
比較で間違いやすいのは、外注費は「見える金額」なのに、内製の費用は人件費以外が見えにくいことです。社内に1名置く場合、年収だけでなく社会保険の会社負担、採用にかかった費用、そして媒体費が別途かかります。
下表は一般的な相場感を並べた目安です。自社の条件に置き換えて使ってください。
| 費目 | 外注を継続する場合 | 社内担当に戻す場合 |
|---|---|---|
| 委託費 | 月額制の採用代行で月数十万円が相場の目安 | — |
| 人件費 | — | 年収+会社負担(社会保険等)。年収相場は職種・地域で幅がある |
| 採用担当を採る費用 | — | 初年度のみ発生(紹介手数料または媒体費) |
| 求人媒体費 | 委託費に含む契約と実費別の契約がある | 実費として毎年発生 |
| 社内の工数 | 面接・決裁・現場調整は社内に残る | 全工程が社内 |
| 教育コスト | — | 未経験から育てる場合は立ち上がり期間分 |
採用担当の年収相場は採用担当の給与相場と、後任にいくら払うべきか、代行の月額相場は採用代行の費用相場と、どこまで任せられるかの境界線にまとめています。見積書で広告費が「込み」か「実費別」かによって総額が変わる点は、更新時にも必ず確認してください。
採用人数が少ないほど、外注は割高になりにくい
ここが2年目の判断の核心です。
社内に1名を置くと、その人の費用は年間の採用人数に関係なく固定で乗ります。年に2〜3人しか採らない会社でも、20人採る会社でも、人件費はほぼ変わりません。一方で外注は、契約の範囲や期間を採用計画に合わせて伸縮させやすい形が多いため、採用人数が少ない年ほど、外注のほうが割高になりにくい傾向があります。
逆に、年間の採用人数が多く、募集が通年で途切れない会社では、1人分の人件費を採用人数で割った単価が下がっていきます。この場合は内製のほうが総額で収まることが多くなります。
採用人数で損益が入れ替わる構造そのものは採用担当を正社員で置くか、外部委託と兼任で回すかでも扱っているので、1年目の体制をまだ決めていない方はそちらを先にご覧ください。
金額に出ない差——知見がどこに積まれるか
外注を続けると、どの媒体が効いたか、どんな応募者が入社後に定着したか、どの面接官の評価が当たっていたかといった情報が、委託先の側に蓄積していきます。報告書として共有されていても、判断の勘所まで社内に移るとは限りません。
結果として、何年続けても「委託先がいないと動けない状態」が解消されない場合があります。委託費が上がったとき、担当者が変わったとき、契約を切りたくなったときに、交渉の材料が自社にないのは不利です。
逆に内製の場合、人件費は固定で乗りますが、その人には採用以外の業務(労務、総務、入社後のフォローなど)も載せられます。採用だけの費用として見ると割高でも、業務全体で見ると違う評価になることがあります。
いつ判断を始めるか
更新日の直前に迷い始めると、現状維持になりがちです。逆算すると、判断に着手する時期は次のようになります。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 更新日の4〜6ヶ月前 | 翌年度の採用人数を社内で確定させる。これが決まらないと比較が始まらない |
| 更新日の3ヶ月前 | 内製に戻す場合の後任候補を社内で探す/募集を出すか決める |
| 更新日の2ヶ月前 | 委託先に更新しない可能性を伝え、引き継ぎ可能な範囲を確認する |
| 更新日の1ヶ月前 | 媒体契約・ATS・応募者データの名義と権限を確認する |
翌年度に何人採るのかが決まっていないと、どの選択肢も根拠を持って選べません。先に結局あと何人採るのかを、社内で確定させるを済ませておくと、以降の比較が速くなります。
内製に戻すとき、何を引き取ることになるか
「戻す」は契約を終えるだけでは完了しません。1年間、委託先の側で回っていたものを社内に移す作業が発生します。少なくとも次は必要になることが多いです。
- 求人媒体・スカウト媒体・ATSのアカウント名義と管理者権限
- 応募者データの書き出し(契約終了後に閲覧できなくなる場合がある)
- 人材紹介会社との窓口(誰が連絡先になるかの差し替え)
- 求人原稿の原本と、過去に効いた/効かなかった原稿の履歴
- 合否判断の基準と、過去の選考結果
- 返信テンプレート、面接の案内文、評価シートの様式
これらが契約終了時に渡される前提になっているかは、委託先によって異なります。更新しないと決める前に、終了時の成果物を確認しておくのが安全です。何が社内に残る形が望ましいかは引き継ぎ代行が終わったとき、社内に何が残るのかに具体例を並べています。
そして最大の作業は、これらを受け取る人を社内に用意することです。受け手がいないまま契約だけ終えると、1年前と同じ「採用が止まった状態」に戻ります。
当社の位置づけ
採用担当引き継ぎ代行は、外注を長く続けるためのサービスではありません。止まった求人活動を復旧させ、後任の採用担当を採り、その人に業務を引き継いで終わる——つまり、内製に戻すまでの期間を区切って支援する形です。後任は採用担当の経験者でなくても構いません。当社が育てて引き継ぎます。
プランは3つです。いずれも税別・広告費込み・分割払いにも対応しています。
| プラン | 期間 | 金額(税別) |
|---|---|---|
| 復旧 | 2ヶ月 | 80万円 |
| 標準 | 4ヶ月 | 200万円 |
| 完全 | 6ヶ月 | 300万円 |
更新のたびに同じ判断を繰り返すより、一度期間を区切って社内に戻すほうが、3年目以降の費用は読みやすくなります。採用担当引き継ぎ代行の進め方と料金プランはそれぞれのページでご確認ください。
どの選択肢を取るにしても、まずは今どの媒体と契約が生きていて、進行中の応募者が何人いるのかの整理が出発点です。採用ストップ診断(媒体アカウント・契約・進行中の応募者の棚卸し)までは無料で承っています。 ご相談はLINE公式からお願いします。