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来社面接の受け入れ手順が前任者しか知らないとき

面接の日程は決まった。面接官も押さえた。それでも当日になって、受付の担当者が「どちら様ですか」と応募者に聞き返し、会議室が別の打ち合わせで埋まっていて、面接官が応募者を廊下で待たせる——こうした事故は、選考の設計ではなく受け入れの段取りが誰にも共有されていないときに起きます。前任の採用担当は、受付に一声かけ、会議室を自分のカレンダーで押さえ、交通費を小口現金から渡す、という一連の流れを頭の中だけで回していたことが多いものです。

この記事では、選考の中身には触れません。応募者が建物に入ってから帰るまでの間に事故りやすい5つの場面だけを、順番に潰します。どれも1枚の紙に書き出せる内容です。

当日に事故るのは5つの場面に絞られる

来社面接の受け入れは、次の5つに分解できます。それぞれ「誰が」「どう動くか」が決まっていないと、応募者側から見て不安になる待ち時間が生まれます。

場面決めておくこと決まっていないと起きやすいこと
受付での取り次ぎ誰に・どの内線に取り次ぐか応募者が受付で立ち往生する
会議室の確保どの部屋を・何時から何分押さえるか直前に部屋が取れず別室を探す
待たせる場所開始前・面接官交代時にどこで待つか他の来客や社員の前で待たせる
面接官への声かけ到着をいつ・どう伝えるか面接官が会議から戻らず開始が遅れる
交通費の精算支給有無・上限・渡し方当日に「いくら出るのか」で揉める

**この5つ以外は、当日中に判断できなくても取り返しがつきます。**逆にこの5つは、その場で詰まると応募者の目の前で露見します。

受付に渡す一文をつくる

いちばん多い事故が、受付での取り次ぎです。応募者は会社名で名乗りません。「○○と申します。本日◯時に面接でお約束をいただいております」と個人名だけで来ます。受付担当者が来客リストを社名で管理していると、この時点で照合できません。

受付には、当日の朝までに次のような一文を渡しておくと動けます。

本日14:00に、個人でお越しになる方の予定が1件あります。お名前を伺ったら、社名はお尋ねせず、管理部の△△(内線◯番)へお取り次ぎください。ご到着が早い場合は、1階応接でお待ちいただいてください。

「面接の方ですね」と他の来客の前で確認しない、という一言も添えておくと安心です。応募者は在職中のことが多く、来社が知られたくない事情を抱えている場合があります。

会議室が重なるときの押さえ方

面接の部屋取りは、日程が決まってから探すと間に合いません。先に曜日と時間帯で枠を確保しておき、そこに面接を入れる方式に切り替えると、重なりがほぼ消えます。たとえば「火曜と木曜の14:00〜17:00は第2会議室を採用面接枠として固定」という置き方です。

同じ時間帯に2件入ってしまった場合は、応募者どうしが顔を合わせないことを優先します。開始時刻を30分ずらす、別フロアの部屋にする、片方をオンラインに切り替える、という順で調整するのが現実的です。枠取りの考え方そのものは面接の日程調整が止まったときの立て直し方で詳しく整理しています。オンラインに振り替える場合は、前任者の個人アカウントで発行されたURLが使えなくなっていることがあるため、Web面接のURLとアカウントが前任者のものになっているときもあわせて確認してください。

面接官への声かけと、待たせる場所

到着の連絡は、口頭ではなくチャットや内線など記録が残る手段に統一します。「◯◯様ご到着、第2会議室にご案内しました」の一文で足ります。面接官が別の打ち合わせに入っている可能性があるため、開始15分前にリマインドを送る運用にしておくと、開始遅れが減ります。

面接官の交代で応募者を一人にする時間ができる場合、その場所も決めておきます。会議室にそのまま残ってもらうのが最も事故が少なく、廊下やオープンスペースで待たせる形は避けたいところです。

交通費の精算

前任者が現金で手渡ししていた場合、小口現金の運用ごと止まっていることがあります。当日までに次の4点を決めておいてください。

決める項目確認先備考
支給の有無と対象範囲経理・決裁者遠方のみ支給とする会社もある
上限額と実費/定額の別経理過去の精算記録から逆引きできる
渡し方(当日現金/後日振込)経理振込なら口座情報の取得方法も
必要書類(領収書・受領印)経理様式が残っていないか確認

支給有無は、面接の案内メールの時点で伝えておくと当日の行き違いが起きにくくなります。過去にどう運用していたかは、前任者の経費精算履歴をたどると復元できることが多いです。

1枚にまとめて、当日の朝に配る

ここまでの内容は、A4で1枚に収まります。日付・時刻・応募者名(敬称付き)・職種・面接官・部屋・受付の取り次ぎ先・交通費の扱い。この8項目を埋めた紙を、前日夕方に受付と面接官へ配るだけで、当日の事故はかなり減ります。

この1枚は、後任の採用担当が着任したときにそのまま渡せる手順書にもなります。採用業務全体をどう文書化するかは採用フローを手順化するとき、最初に書くべき5項目を参考にしてください。

受け入れの段取りは、人がいなくても回る形に

来社面接の受け入れは、専門知識がなくても書き出せる業務です。それでも前任者しか知らない状態が続いていたのは、書き出す時間を誰も取っていなかったからにすぎません。逆に言えば、ここは外部の手を借りなくても今週中に潰せる箇所です。

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