連絡が取れない応募者を、いつ選考終了にするか
採用担当が退職したあと、宙に浮いた応募者に一通ずつ連絡を入れていくと、必ず何人かは返事が返ってきません。電話は留守番電話、メールは未読か既読か分からない、媒体のメッセージも反応なし。すでに他社に決まっているのか、単に見落としているのか、社内からは判別できません。
厄介なのは、この人たちを「保留」のまま管理表に残し続けてしまうことです。件数が膨らむほど、今週本当に対応すべき応募者が何人なのかが読めなくなります。ここでは、何回・何日空けて連絡を試すか、最後に送る文面に何を書くか、そして終了後に本人から連絡が来た場合どう扱うかを、判断の基準として整理します。
打ち切りの基準がないと、未対応件数が読めなくなる
連絡が取れない応募者を残す判断そのものは、悪いことではありません。問題は、残す期限が決まっていないことです。
期限がないと、管理表には「連絡済み・返信待ち」が積み上がります。3週間前に一度メールを送っただけの人と、昨日連絡して返事を待っている人が同じ行に並ぶため、後任や兼任担当が表を見ても、今日手を動かすべき相手が分かりません。進捗を数字で見る運用をしている場合も、未対応件数が実態より多く出てしまい、判断材料になりません(採用の進捗を週15分で確認するための数字)。
打ち切りの基準は、応募者を切り捨てるためではなく、社内が状況を把握できる状態を保つために決めます。 終了にしても記録は残りますし、後述のとおり本人から連絡が来たときに戻す道も用意できます。
連絡を試す順番と間隔の目安
媒体や職種によって事情は変わりますが、担当交代で途切れた応募者に再接触する場合、次のような組み立てにすることが多いです。手段を変えながら3回試し、最後の1回で終了予定を伝える形です。
| 回数 | 手段 | 前回からの間隔 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 1回目 | 応募媒体のメッセージ+メール | — | 担当交代のお詫びと選考再開の案内、返信期限(3〜4営業日)を明記 |
| 2回目 | 電話(日中1回、夕方1回まで) | 3〜4営業日後 | つながらなければ留守電を残し、同日中にメールでも一報 |
| 3回目 | メール(最終連絡と明記) | さらに3〜4営業日後 | 返信がない場合は選考終了として扱う旨を記載、期限は1週間程度 |
1回目から3回目までで、おおむね2〜3週間です。返信期限を切らずに待ち続けると判断が先送りになるため、初回から日付を入れておくと後の処理が楽になります。
電話は回数を重ねるほど心証が悪くなりやすいので、1日に何度もかけ直すのは避けます。非通知設定や知らない番号に出ない人も多いため、電話が空振りでも「拒否された」とは判断せず、必ずメールや媒体メッセージを併用してください。
なお、担当交代の事実をどう伝えるかは選考の進み具合で変わります。一次面接待ち、日程調整中、結果待ちで文面の骨格が異なる点は選考中の応募者に「担当が変わりました」をどう伝えるかにまとめています。この記事の1回目の連絡は、そちらの文面をそのまま使う想定です。
最後に送る一文の書き方
3回目の連絡に入れる「返信がない場合は選考終了として扱う」という一文は、書き方で受け取られ方がかなり変わります。押さえたい点は4つです。
- 期限を日付で書く(「○月○日(○)までにご返信がない場合」)
- 会社側の都合で遅れたことに触れる
- 終了は事務処理上の扱いであると書く
- 再開の余地を残す
文例です。
弊社の担当変更により、ご連絡が滞りご迷惑をおかけしております。 選考再開についてご意向を確認したく、○月○日(○)までにご返信をお願いできますでしょうか。 期日までにご返信がない場合は、事務手続き上、いったん選考終了として扱わせていただきます。その後あらためてご希望をいただいた際は、状況に応じて選考を再開することも可能ですので、お気軽にご連絡ください。
「辞退扱いとします」という表現は、本人が辞退していないのに辞退したことにされた、と受け取られる場合があります。辞退ではなく「選考終了として扱う」と書き分けるほうが、後々のやり取りで齟齬が起きにくくなります。
連絡が遅れたことへの一言を省くと、放置された経験そのものが口コミに残ることがあります。この点は応募者を放置すると、評判にどう跳ね返るかで扱っています。
選考段階によって、待つ長さを変える
一律に2〜3週間で切るのではなく、進んでいた段階によって待つ期間を調整すると現実に合います。
| 状態 | 打ち切りまでの目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 応募のみ(書類選考前) | 2週間程度 | 他社で決まっている可能性が高い。短めで区切る |
| 一次面接待ち・日程調整中 | 2〜3週間 | 面接官の枠を押さえている場合は早めに解放する |
| 面接済み・結果待ち | 3〜4週間 | 会社側の落ち度が大きい。連絡手段を増やして丁寧に |
| 内定通知後・承諾前 | 個別判断 | 終了扱いにする前に社内で決裁者に確認する |
内定通知後に連絡が取れない場合は、機械的に終了とせず、入社日や採用計画への影響を踏まえて判断します。内定者の連絡が途切れている状況への対応は内定者フォローが途絶えたときの立て直し方を参照してください。
終了後に本人から連絡が来たときのルール
終了にしたあとで「返信が遅れました」と連絡が入ることは、珍しくありません。ここで判断がぶれると、応募者ごとに対応が変わってしまいます。あらかじめ次の3点を決めておくと迷いません。
- 再開の可否を誰が決めるか:後任担当の判断で戻してよい範囲と、上長確認が要る範囲を分けておく
- どこから再開するか:原則として終了前と同じ段階から。面接済みの場合は改めて面接をやり直さない
- 期間の線引き:終了から1〜2ヶ月以内なら同じ選考として戻し、それ以上空いた場合は新規応募として扱う
募集そのものが終わっている場合は、無理に選考を再開せず、他職種の募集状況を伝えるか、次回募集時の連絡先として残す旨を伝えます。過去に見送った人や辞退した人への再アプローチを整理する考え方は過去の応募者リストを使って、応募ゼロの期間を埋めるにまとめています。
管理表には終了理由と日付を残す
終了にした応募者は、管理表から削除せず、別のシートか「終了」列に移します。残す項目は最小限で構いません。
- 応募日/最終連絡日/終了日
- 終了理由(連絡不通・辞退・見送りなど)
- 到達していた選考段階
- 応募経路(媒体名、紹介会社名)
これを残しておくと、同じ人が別の経路で再応募したときに気づけますし、後任が「この人はなぜ消えたのか」を調べ直す手間がなくなります。応募書類そのものの保管期間は別の論点になるため、社内ルールとあわせて確認してください。
連絡が取れない件数が多いほど、対応が止まっていた期間が長かったということでもあります。応募から返信までの時間が結果に与える影響は応募者への返信速度が採用結果をどう変えるかで整理しています。打ち切りの処理を終えたら、次は同じ状態を作らない受け皿づくりに進みます。
判断も連絡も止まっているなら、外に出す選択肢があります
宙に浮いた応募者の棚卸しは、一人で抱えると手が止まりやすい作業です。誰に何回連絡したかの把握、文面の作成、終了処理、そのあとの求人再開までを、社内の兼任担当だけで並行して進めるのは負担が大きくなります。
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