求人票に載っている前任者の電話番号・内線を差し替える
採用担当が辞めたあと、メールアドレスの差し替えは比較的早く手が付きます。応募メールが届かなくなれば誰かが気づくからです。一方で、求人票やハローワーク求人に載っている「担当者名」と「内線番号」は、鳴らなくなっても誰も気づきません。電話をかけた応募者が、呼び出し音の先で誰も出ない状態に当たっているだけだからです。
ここでは、前任者の名前と電話番号が残っている掲載面をどう洗い出すか、代表番号に寄せる場合に受付へ何を渡すか、担当者名を個人名ではなく「採用担当」と書けるのかを整理します。差し替えが反映されるまでの間に電話が来たときの受け答えも用意しておきます。
電話が止まっていることは、社内からは見えない
メールは不達通知が返ってきたり、転送先で滞留したりして痕跡が残ります。電話は、つながらなかった事実が応募者側にしか残りません。
実際に起きやすいのは、内線番号が空席のまま鳴り続ける、前任者の携帯に転送されたままになっている、代表番号にかかってきたが受付が「採用担当は退職しました」とだけ答えてしまう、といったケースです。いずれも応募者から見れば「連絡が取れない会社」になります。応募窓口そのものをどう組み直すかは採用担当が不在の間、応募窓口を1日でつくる手順にまとめているので、そちらと合わせて進めてください。
電話の差し替えは、掲載面の数が多いことが難所です。 1か所直して終わりにならないため、先に一覧を作ります。
差し替えが必要な掲載面を洗い出す
前任者の名前・内線・直通番号・個人携帯が載りうる場所を並べます。自社に無いものは消し、残ったものを上から潰していきます。
| 掲載面 | 誰が直せるか | 反映までの目安 |
|---|---|---|
| 有料求人媒体の原稿(応募前の問い合わせ先欄) | 管理画面、または代理店・媒体営業 | 審査がある媒体では数営業日かかることが多い |
| ハローワーク求人(事業所情報・求人担当者欄) | 求人者マイページ、または管轄のハローワーク窓口 | 窓口経由は受付後の処理待ちになる場合がある |
| 自社採用ページ・問い合わせフォームの送信元表記 | 社内担当、または制作会社 | 即日〜数日 |
| 無料掲載枠・求人検索サイトへの転載 | 元の原稿を直すと連動する場合と、別途直す場合がある | 反映に時間差が出ることがある |
| 人材紹介会社・媒体営業に渡した連絡先 | 自社からメールで通知 | 即日 |
| 応募後の自動返信メール・不採用通知の署名 | 管理画面のテンプレート設定 | 即日 |
| 会社説明資料・面接案内の文面 | 社内担当 | 即日 |
| 紙の求人チラシ、店頭掲示、社用車の掲示など | 社内担当 | 回収・差し替えの手間次第 |
このうち見落とされやすいのが、最後の2行です。面接案内のメールに「当日は内線◯◯番で前任者をお呼び出しください」と書いたテンプレートが残っていると、来社した応募者が受付で立ち往生します。
ハローワーク求人は、担当者の退職中に有効期限が切れて失効していることもあります。失効していれば差し替えではなく再掲載の手続きになるため、先に状態を確認してください。手順はハローワーク求人が失効している/内容が古いときの再掲載手順にまとめています。
代表番号に寄せるか、採用専用の番号を用意するか
差し替え先の選択肢は大きく3つです。
1つ目は代表番号に寄せる方法。追加費用がかからず、今日から使えます。受付や総務が一次で受け、担当へ取り次ぐ形になります。応募数が多くない会社であれば、これで足ります。
2つ目は、後任や暫定担当の内線を載せる方法。取り次ぎが1回減りますが、その人が離席・会議中だと不在になります。固定電話に出られる時間が限られる役職の人の番号は避けたほうが無難です。
3つ目は、採用専用の番号(IP電話や転送サービスなど)を新しく用意する方法。担当が替わっても番号を変えずに済みますが、契約と設定の時間がかかります。急ぎの差し替えには間に合わないことが多いので、まず代表番号に寄せ、落ち着いてから検討する順番が現実的です。
前任者の個人携帯が原稿に載っていた場合は、最優先で消します。退職後も応募者からかかり続ける状態は、本人にとっても会社にとっても問題になりやすいためです。メールアドレスも同様に共用アドレスへ移しておきます(採用の連絡先を個人名アドレスから共用アドレスへ移す)。
受付に渡す取り次ぎの一文
代表番号に寄せる場合、受付が答えに詰まると意味がありません。次の内容を1枚の紙かチャットで渡しておきます。
- 「求人を見た」「応募の件で」と言われたら、誰に取り次ぐか(氏名と内線、不在時の第二候補)
- 取り次ぎ先が不在のときに聞き取る項目(氏名・連絡先電話番号・応募した職種・折り返し可能な時間帯)
- 折り返しの目安(「本日中」「翌営業日中」など、守れる範囲で)
受付が口にする一文は、短く決めておくと揺れません。
「お電話ありがとうございます。採用の担当におつなぎいたします。少々お待ちください」
不在のときはこうです。
「本日は担当が席を外しております。お名前とご連絡先、ご応募の職種をお伺いしてもよろしいでしょうか。◯◯(時間)までに折り返しご連絡いたします」
避けたいのは、「採用担当は退職しました」「今は採用をやっていないと思います」と受付が答えてしまうことです。事実であっても、応募者には選考が打ち切られたと伝わります。退職の事実は、受付から伝える情報ではないと決めておいてください。
担当者名は「採用担当」でよいか
多くの求人媒体では、応募前の問い合わせ先に個人名ではなく「採用担当」「人事部 採用担当」といった表記を使えます。ハローワーク求人には求人担当者を記載する欄がありますが、記載のルールや運用は変更されることもあるため、自己判断で空欄にせず、管轄のハローワークに確認してください。
実務上の考え方としては、次の整理が使いやすいです。
| 場面 | 推奨する表記 |
|---|---|
| 求人原稿の問い合わせ先 | 部署名+「採用担当」。個人名は置かない |
| 応募後の個別メール・面接案内 | 対応する人の氏名を書く |
| ハローワークの担当者欄 | 実在する在籍者名(窓口に確認のうえ記載) |
応募前の接点は役割名、応募後の接点は個人名、と分けておくと、次に担当が替わったときに直す箇所が原稿側に集中します。属人化を薄める観点でも、採用業務の属人化を解く。引き継ぎ書に必ず書く12項目と合わせて、連絡先の持ち方を決めておくと再発しにくくなります。
反映待ちの間に電話が来たら
媒体の審査やハローワークの処理で、差し替えが即日反映されないことがあります。その間、古い番号への着信は続きます。
- 前任者の内線が空席なら、総務か後任の席へ転送設定を入れる(設定できない電話機の場合は、その席に出られる人を日替わりで決める)
- 前任者の個人携帯に転送されている設定が残っていないか確認する
- 「担当が代わりました」とだけ伝え、退職の経緯には触れない
- 相手が選考中の応募者だった場合は、その場で選考状況を答えようとせず、氏名と連絡先を控えて折り返す
選考が進んでいた応募者への担当交代の伝え方は状態ごとに変わります。選考中の応募者に「担当が変わりました」をどう伝えるかに文面の骨格をまとめているので、折り返す前に目を通してください。
最後に、差し替えが終わったら社外の電話から自分でかけてみてください。原稿に載っている番号へ実際に発信し、何コールで誰が出て、どう取り次がれるかを確認します。ここまでやって初めて、差し替えが完了したと言えます。
差し替えの前に、掲載面の全体像を把握する
ここまで読んで「そもそもどの媒体に出しているか分からない」と感じた場合、差し替えより先に掲載面の棚卸しが必要です。契約が生きている媒体、課金が続いている枠、進行中の応募者が、前任者の退職で見えなくなっていることがあります。
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採用ストップ診断(媒体アカウント・契約・進行中の応募者の棚卸し)までは無料です。 ご相談はLINE公式からお受けしています。差し替えが必要な掲載面の洗い出しだけでも、現状を一度整理しておくと次の判断がしやすくなります。