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引き継ぎと属人化

社内の誰も採用を引き受けたがらないとき

採用担当が辞めて、次に誰が持つかを決めようとしたら全員が黙った。総務部長は「決算と労務で手一杯」、営業部長は「現場を止められない」、管理部門は「面接の合否なんて判断できない」。結局その場では決まらず、応募者への返信だけが止まったまま一週間が過ぎている——という状況は珍しくありません。

このとき「誰かが我慢して引き受ける」決め方をすると、引き受けた人が数ヶ月で音を上げるか、形だけ担当になって実務が動かないかのどちらかになりやすくなります。断られている理由は人柄や意欲ではなく、依頼の仕方に穴があることが多いためです。この記事では、引き受けたくない理由を3つに分けて特定し、それぞれに対する手当てを対応づけます。

「できません」の中身は3種類に分かれる

断り文句はたいてい「忙しいので」という一語に集約されますが、中身は違います。会議で詰めるのではなく、個別に理由を聞き分けると、手当ての方法が変わります。

断る理由実際に口に出る言葉必要な手当て
業務量「今の仕事で手一杯」既存業務を何か外す。足すだけにしない
判断責任「合否なんて決められない」決裁を上に置き、担当は進行だけ持つ
評価されない「やっても誰も見ていない」評価項目に入れる。または手当を付ける

この3つは重なることもありますが、本人が最も強く感じている理由は1つに寄っていることが多いものです。「何があれば引き受けられますか」と聞くと、だいたいこの3つのどれかが返ってきます。

業務量:足すのではなく、何かを外す

採用は「空いた時間でやる仕事」に見られがちですが、応募が来れば返信の期限が発生し、面接が入れば日程調整が発生します。相手の都合で発生するため、後回しにしにくい性質の業務です。

ここでの手当ては、担当を決めると同時に、その人の既存業務から何を外すかを同じ会議で決めることです。外すものが決まらないまま「兼任でお願い」とすると、本人は断る理由を失う一方で、現実には回りません。どれくらいの時間が必要かは募集職種数と応募数によって変わるため、直近の応募数から概算を出してから話すほうが揉めにくくなります。

外せる業務が本当に無い場合は、採用側を削ります。募集職種を絞る、媒体を減らす、面接回数を減らすといった調整で、持たせる量を先に小さくします。

判断責任:決裁は上に置いたままにする

「採用担当になってください」と言われた人が最も怖いのは、採った人が合わなかったときに自分の責任にされることです。この不安は、権限が曖昧なまま任される会社ほど強く出ます。

手当ては単純で、合否と条件提示の決裁者を担当とは別に明示することです。担当が持つのは、応募者への連絡、日程調整、面接官の手配、書類の整理といった進行であり、「通す・落とす」「いくらで出す」は社長または部門長が決める。この線を紙に書いて共有しておくと、引き受ける側の心理的な負担がかなり下がります。決め方の具体的な書き方は採用の可否を誰が決めるかを、紙に1枚で決めておくにまとめています。

評価されない:見えない仕事として終わらせない

採用は、うまくいっても「普通」、失敗すると責められる構造になりがちです。しかも成果が出るまでに数ヶ月かかるため、期の評価には乗りにくい。引き受けたがらない理由として、これが一番口に出されにくく、しかも後から効いてきます。

手当ては、評価項目に入れるか、手当を付けるか、少なくとも「誰の仕事として社内に周知するか」を決めることです。金額の決め方や、兼任を解除する条件を先に決めておく設計については採用を兼任で持つ社員に、手当や評価をどう設定するかで詳しく扱っています。

「期限つきの暫定」であることを先に宣言する

受け手が決まらない大きな理由のひとつは、一度引き受けたら戻れないと思われていることです。実際、暫定のつもりで渡した業務が何年も残っている会社は多く、社員もそれを見ています。

ですから、依頼するときは期間と解除条件を先に言葉にします。

  • 期間:「後任が着任するまで」ではなく「◯月末まで」と日付で区切る
  • 範囲:「採用全般」ではなく「応募対応と日程調整まで。合否は私が決める」
  • 解除:期限が来たら、延長するかどうかを必ずその時点で話し合う

この3点を口頭だけでなく、短い文面で残しておくと、引き受ける側も社内の他部署も納得しやすくなります。誰を暫定の受け手にするかの選び方そのものは後任が未定のまま、誰が引き継ぎを受けるかに整理しているので、人選に迷う場合はあわせて読んでください。

社長が一時的に持つ場合の限界

誰も手が挙がらず、社長が自分で持つという判断もあります。決裁が自分にあるぶん判断で詰まらず、立ち上がりは早い。短期的には合理的な選択です。

ただし、限界も見えています。

持てるもの持ちにくいもの
合否と条件の判断応募への当日返信
最終面接面接日程の再調整
媒体費の決裁管理画面の操作と原稿修正
現場への協力依頼応募者データの整理と記録

社長が止まりやすいのは、判断ではなく事務の連続性です。出張や会食で半日連絡が取れない日があると、その日の応募返信が翌日に流れます。返信が遅れた応募者から順に離脱していくため、「判断は自分、手は別の誰か」の二人体制にしないと持ちこたえにくくなります。週あたりの時間の組み方は社長が採用を一時的に持つときの、週の時間の組み方にまとめました。

それでも決まらないなら、受け手を社外に置く選択肢がある

3つの理由に手当てをしても受け手が出ない場合、社内に余力が無いという結論であることが多いものです。無理に誰かに押し付けると、その人が辞めるか、採用がまた止まります。

このとき、一時的に外部が実務を持ち、並行して後任を採って育てる形をとれば、社内の誰かが今日から全部を抱える必要はなくなります。当社の採用担当引き継ぎ代行は、①止まった求人活動の復旧、②後任の採用、③引き継ぎと業務改善の3つを4ヶ月・200万円(税別・広告費込み・分割可)で行います。後任は採用担当の経験者でなくても構いません。当社が育てて引き継ぐためです。復旧のみの2ヶ月80万円、完全型の6ヶ月300万円もあります。

まずは採用担当引き継ぎ代行の進め方と料金プランをご覧ください。媒体アカウント・契約・進行中の応募者を洗い出す「採用ストップ診断」までは無料で対応しています。社内で受け手を決める前の材料集めとしてもお使いいただけます。ご相談はLINE公式から承っています。

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