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引き継ぎと属人化

適性検査・Webテストサービスの契約者IDが前任者名義のままになっているとき

採用担当が退職したあと、求人媒体や面接ツールの整理までは進んだのに、適性検査だけが手つかずで残っていることがあります。管理画面のログインIDが前任者の個人メールアドレス、請求書の宛名は会社名、受検案内のメールは前任者の名前で送られている。しかも、いま二次面接を待っている応募者が1名、受検URLを受け取ったまま止まっている――このような状態です。

適性検査・Webテストは「受検して終わり」のサービスに見えますが、実際には契約・受検ID(受検枠)・結果データという三つの層があり、それぞれ引き継ぎの詰まり方が違います。Web面接ツールのように当日の接続だけが問題になるのとは別の扱いが必要です。この記事では、確認の順番と、名義変更をいつやるべきかの判断を整理します。

適性検査は「アカウント」だけ押さえても引き継げない

Web面接ツールやATS(採用管理システム)と比べたときの違いは、受検IDという前払いの在庫を抱えている点です。多くの適性検査サービスは、年間契約や受検数パック(たとえば50名分)で購入し、使い切るまで残数が管理画面に残ります。ここを確認せずに解約や新規契約をすると、買ったはずの受検枠を捨てることになります。

もう一つの違いは、結果データが社内に自動で残らないことです。受検結果は提供元のシステム上に保管され、閲覧期限や保存期限が契約条件で決まっているのが一般的です。**契約が切れた時点で、過去の受検結果が見られなくなる場合があります。**アカウントの回収と同時に、データの持ち出しまで含めて考える必要があります。

アカウント回収そのものの全体像は採用担当の退職時に回収すべきアカウントと情報で扱っているので、ここでは適性検査に固有の部分だけを深掘りします。

最初に確認する4項目

管理画面に入れるかどうかにかかわらず、次の4つは請求書と契約書から確認できることが多いです。

確認項目どこで分かるか確認する理由
契約形態(年間契約/都度購入)契約書、申込書、請求書の摘要欄自動更新の有無と更新月を知るため
契約名義と請求先請求書の宛名、支払記録法人契約か前任者個人の立替かを切り分けるため
受検IDの残数と有効期限管理画面、または提供元への問い合わせ使い切れずに失効する枠を把握するため
結果データの閲覧・保存期限契約書、利用規約、サポート窓口エクスポート期限に間に合わせるため

請求書が見つからないときは、会計側で「適性検査」「テスト」「アセスメント」などの科目・摘要を検索し、直近12ヶ月の支払先を洗い出します。媒体費の棚卸しと同じ進め方なので、求人媒体の棚卸しで何を確認するかの手順をそのまま流用できます。

支払いが前任者の個人カードになっていた場合は、退職でカードが止まり、更新時に利用できなくなることがあります。この場合は支払い方法の変更を先に手配してください。

契約者名義・管理者IDの変更手続き

多くのサービスでは、次の流れになることが多いです。ただし手続きの名称や必要書類は提供元によって異なるため、問い合わせ時に確認してください。

  1. 提供元のサポート窓口(メールまたは問い合わせフォーム)に連絡する。営業担当が付いている場合はその担当へ
  2. 「契約企業は変わらず、担当者・管理者IDの変更を希望する」と伝える。会社名、契約ID、旧担当者名、新担当者の氏名・部署・メールアドレスを添える
  3. 指定の様式(担当者変更届など)が出てくることが多いので、記入して返送する
  4. 新しい管理者IDが発行される、または既存IDのメールアドレスが書き換えられる
  5. 旧管理者IDの権限を削除する

注意点は2つあります。ひとつは、旧IDを先に消すと過去の受検結果や進行中の受検の紐付けが見えなくなる場合があること。新IDで同じ結果が閲覧できることを確認してから旧IDを消す順番にしてください。もうひとつは、管理者が1名しか登録できないプランがあること。その場合は、変更後に管理部門の共有メールアドレスを使うか、副管理者を追加できるプランかを確認しておくと、次に担当が抜けたときに同じことが起きにくくなります。

受検中の応募者がいるときは、名義変更を後ろにずらす

ここが判断の分かれ目です。名義変更や管理者IDの切り替えは、受検が進行中の応募者がいる間は避けたほうが安全なことが多いです。理由は次のとおりです。

  • 受検案内メールが旧IDのアドレスから送信されているため、応募者からの返信や再送依頼が新IDに届かない
  • 受検URLの発行元アカウントが変わることで、受検の途中データや紐付けが切り替わる可能性がある
  • 受検期限(案内から○日以内など)が設定されている場合、切り替え作業中に期限が過ぎることがある
進行中の受検者の状況名義変更のタイミング
受検案内を送っていないすぐ変更して構わない
案内済みだが未受検期限まで日数があれば、受検完了を待ってから変更するのが無難
受検途中・結果集計待ち結果が閲覧できる状態になってから変更
受検完了・結果取得済みすぐ変更して構わない

急いで変更する必要がある場合(前任者のメールアドレスが即日停止される、など)は、先に提供元へ「進行中の受検がある状態で管理者を切り替えたい」と伝え、受検データの引き継ぎ方を確認してください。応募者側への連絡も必要になります。担当交代の伝え方は選考中の応募者に「担当が変わりました」をどう伝えるかに文面の骨格をまとめています。

結果データのエクスポートと保存期限

適性検査の結果は、次の3種類に分けて考えると整理しやすくなります。

  • 個別の結果レポート:PDFで1名ずつ出力できることが多い。選考中・内定者・入社者の分は必ず手元に落としておく
  • 一覧データ:受検者名、受検日、スコアをCSVやExcelで出力できる場合がある。誰が受検したかの記録として残す
  • 過去の受検履歴:契約終了や年度切り替えで見られなくなる可能性がある層

優先順位は、①在籍中の社員と内定者、②選考中の応募者、③直近1年の不採用者、の順です。③まで無理に残す必要はありませんが、入社後の配置や育成に使う想定があるなら①は落としておいてください。

保存先は、前任者の個人ドライブではなく社内の共有フォルダに置き、閲覧できる人を限定します。適性検査の結果は本人の評価に直結する情報なので、履歴書と同じ扱いにするのが無難です。

なお、エクスポートしたスコアは「前任者がどの数値をどう使って合否を決めていたか」を復元する材料にもなります。基準そのものの復元手順は前任者の合否判断の基準を、過去の選考履歴から復元するを参照してください。

次に同じことが起きないようにする

適性検査は、年に数回しか触らないサービスであるため属人化しやすく、担当が抜けたときに最後まで発見されない契約になりがちです。再発を防ぐには、次の3つを決めておくと効きます。

  • 管理者IDは部署の共有メールアドレスで登録し、個人メールを使わない
  • 契約更新月と受検IDの残数を、採用の契約一覧に1行で書き足す
  • 受検結果は四半期ごとに共有フォルダへ落とす(担当者任せにせず点検項目に入れる)

適性検査の契約1つを追いかけるだけでも、請求書の確認、提供元への問い合わせ、応募者への連絡と、いくつもの作業が発生します。採用担当が不在のままこれを全部拾うのは、兼任の方にはかなりの負荷です。

当社の採用担当引き継ぎ代行では、止まった求人活動の復旧、後任の採用、引き継ぎと業務改善までを一括で担います。後任は採用担当の経験者でなくてよく、当社が育てて引き継ぎます。標準プランは4ヶ月・200万円(税別・広告費込み・分割可)で、期間や範囲の違いは料金プランにまとめています。

まずは現状の把握からで構いません。採用ストップ診断(媒体アカウント・契約・進行中の応募者の棚卸し)までは無料です。LINE公式からご相談ください。

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