転職フェア・合同説明会の出展日が迫っているとき、出るか降りるか
採用担当が退職したあと、社内のカレンダーに見覚えのない予定が残っていることがあります。「◯◯転職フェア 出展」。申し込んだ本人はもういません。会場も、ブースの大きさも、いくら払ったのかも分からない。開催日は2週間後。
この状況で最初にやるべきことは、出展内容を詰めることでも、パンフレットを探すことでもありません。出るか降りるかを、キャンセル期限より前に決めることです。判断を保留したまま準備だけ進めると、降りる選択肢が期限切れで消え、準備も中途半端なまま当日を迎えることになります。この記事では、その判断を決める順番で整理します。中途採用向けの合同説明会・転職フェアを想定しています。
判断の前に、3つの事実だけ確認する
出るか降りるかは、好みや気合いではなく、次の3点で決まります。まずここを埋めてください。
| 確認すること | どこで分かるか | 期限の考え方 |
|---|---|---|
| キャンセル期限と返金の条件 | 出展申込書・出展規約(メール添付か紙の控え) | 開催が近いほど返金割合が下がる段階設定になっていることが多い |
| 支払い済みか未払いか | 経理の支払予定表、請求書、稟議書 | 未払いなら降りる判断の余地が残ることがある |
| 主催者側の担当者名と連絡先 | 申込書の控え、前任者宛の受信メール、主催社の代表窓口 | 連絡が取れるまで判断を確定できない |
申込書が見つからない場合は、主催者の代表窓口に社名と担当者名を伝えて照会します。前任者の個人メールにしか記録がない場合の探し方は、採用担当が退職した直後にやるべき7つのこと(優先順位つき)で扱っている情報の集め方と同じ考え方で進められます。
なお、出展料の金額は主催者・会場・ブースサイズで大きく変わります。相場を推測せず、請求書か稟議書で実額を確認してください。判断の材料になるのは「いくらかかるはずか」ではなく「いくら戻るか」です。
出る/降りるの判断は、この順で決める
3つの事実がそろったら、次の順番で機械的に判断します。
- 面接官を出せるか。 当日ブースに立てる人を2名確保できるか。社長でも部長でもかまいませんが、当日の数時間を丸ごと空けられる人です。1名しか出せないなら、出展の効果は大きく落ちます。
- 翌週の対応体制があるか。 フェアで名刺を集めても、翌週に連絡する人がいなければ意味がありません。応募者側は同じ日に複数社と話しています。連絡が遅れるとどうなるかは応募者への返信速度が採用結果をどう変えるかで整理しています。
- 募集職種が今も生きているか。 前任者が申し込んだ時点の募集と、いま本当に採りたい職種がずれていることがあります。現場に確認してください。
2名出せて、翌週の連絡担当が決まっていて、募集職種が生きている。この3つがそろえば出る価値があります。どれか1つでも埋まらないなら、降りるか、規模を縮めて「最低限の形で出る」かの検討に移ります。
返金がほぼ見込めない段階に入っているなら、費用はすでに失われています。その場合は「払った分を取り返す」ではなく、「当日の人員2名分の時間を使う価値があるか」で判断したほうが冷静な結論になりやすいです。
出ると決めた場合:最低限そろえるもの
凝った装飾やノベルティは不要です。当日に無いと困るものだけを挙げます。
- 会社案内(既存の営業用パンフレットで代用可)
- 募集要項を1枚にまとめた紙。職種名・仕事内容・給与レンジ・勤務地・勤務時間・休日
- 名刺(ブースに立つ2名分、想定来場数より多め)
- 面談メモ用紙。あらかじめ項目を印刷しておく
- 会社名を掲示するもの(主催者が用意する看板で足りる場合が多いので、事前に確認)
会社説明の資料が社内のどこにも見当たらない場合は、面接で使う会社説明資料が古い/どこにもないときの作り方に沿って、4ページ程度で作り直せば当日は足ります。デザインより、給与や勤務地の表記が求人票と一致していることを優先してください。
ブース要員2名の役割
2名は同じことをしません。役割を分けます。
| 役割 | 担当すること | 向いている人 |
|---|---|---|
| 呼び込み・一次説明 | 通路を歩く人に声をかけ、5分で会社と募集職種を説明する。名刺を交換する | 現場の社員、話し慣れた人 |
| 面談・記録 | 興味を持った人と10〜15分座って話す。メモを取り、次のステップを伝える | 社長、部長など条件の話ができる人 |
1名が説明している間、もう1名が次の来場者を受ける。この形にしないと、混んだ時間帯に取りこぼしが出ます。当日その場で面接に近いやり取りをすることになるため、質問の型を決めておくと記録が揃いやすくなります。準備の最低ラインは社長が急に面接するときの準備(質問と評価の最低ライン)にまとめています。
名刺と面談メモの回収方法
当日の記録が翌週に使えなければ、出展した意味が薄れます。次の運用にしてください。
- 名刺とメモは必ずセットで留める(クリップかホチキス)。名刺だけ残しても誰だったか分からなくなります
- メモに書く項目は4つに絞る。現職・希望職種・転職時期・こちらの印象(一言)
- ブースに封筒を1つ置き、終わった人からその都度入れる。バラバラに持ち帰ると紛失します
- 終了後、その場で2名の記憶が残っているうちに名刺の枚数を数え、優先して連絡する人に印をつける
持ち帰った名刺は応募者の個人情報です。個人のカバンや私物PCに置いたままにせず、社内の共有フォルダか管理表に移してください。
降りると決めた場合の連絡
降りる場合も、放置して当日を欠席するのは避けてください。主催者は座席表やパンフレットにすでに社名を載せていることがあり、無断欠席は次回以降の取引に響きます。
連絡の手順です。
- 主催者の担当者に電話またはメールで連絡する。「採用担当者の退職により社内体制が整わないため、今回の出展を見送りたい」と理由を簡潔に伝える
- キャンセル規定に基づく返金の有無と、請求がどうなるかを書面(メール)で回答してもらう
- 来場者向けの配布物やWebサイトに社名が掲載されている場合、掲載を取り下げられるかを確認する
- 社内の経理に、支払予定の取り消しまたは実行を連絡する
返金されない場合でも、「次回開催への振替ができるか」を聞いておく価値はあります。主催者によっては次回出展への充当に応じることがあります。確約はされませんが、聞かずに諦めると費用が丸ごと消えます。
また、降りた場合も求人そのものを止めたままにしないでください。止めた期間が長引くほど再開の作業は重くなります。この点は求人を止めたまま3ヶ月経つと、何が変わっているかで詳しく扱っています。
出ても降りても、翌週やること
フェアは1日で終わりますが、採用が止まっている状態は終わりません。出展の判断を片付けたら、同じ週のうちに次の2つを進めておくと、次のイベントや媒体の更新日で同じ慌て方をせずに済みます。
- 前任者が申し込んだ他のイベント・媒体契約が残っていないかを、請求書と稟議書から洗い出す
- 応募や名刺の受け皿(メールアドレス・返信担当)を1つに決める
前任者の判断で進んでいたものは、フェアだけとは限りません。契約の棚卸しは、一度まとめてやったほうが手間が少なくて済みます。
出展日が迫っている状況では、判断そのものより「誰が確認し、誰が決めるか」で時間が溶けます。株式会社Talencoの採用担当引き継ぎ代行は、止まった求人活動の復旧、後任の採用、引き継ぎと業務改善までを一つの期間で引き受けるサービスです。後任は採用担当の経験者でなくても、当社が育てて引き継ぎます。費用は料金プランをご確認ください(標準プランは4ヶ月・200万円/税別・広告費込み・分割可)。
まずは、媒体アカウント・契約・進行中の応募者を洗い出す「採用ストップ診断」までは無料です。LINE公式からご相談ください。出展日が今週中という場合も、確認する順番だけはお伝えできます。