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応募者の個人情報の取り扱いを、どこにどう書いておくか

採用担当が辞めたあと、求人票や応募フォームの文面を読み直してみると、「個人情報の取り扱いについて」という一文が何年も前のまま残っていることがあります。書いた本人はもういません。問い合わせ先に書かれているのは退職した人の名前と、すでに止まっているメールアドレス。リンク先は旧サイトのURLで、クリックしても開かない。

この手の記載は、誰かが困るまで誰も見ません。ただし困り方が厄介で、応募者から「送った履歴書はどうなりますか」と聞かれたときや、採用管理の方法を変えるときに、急に「うちは何と書いていたのか」を確認する必要が出てきます。この記事では、最低限そろえる記載を3つに絞り、それを採用ページ・応募フォーム・媒体原稿のどこに置くか、そして窓口名が退職者のままになっていないかの点検までを整理します。なお、法令上どこまでの記載が求められるかの解釈は会社の状況によって変わるため、断定は避け、確認先を最後に示します。

まず押さえる3つの記載

個人情報保護法では、個人情報を取得する際に利用目的を本人に通知するか、あらかじめ公表しておくことが求められています(細かな要件や例外は条文と解説を確認してください)。採用の場面に当てはめると、応募書類を受け取る前に、何のために使うのかが応募者から見える状態になっている必要がある、という理解になります。

実務上、応募者から質問が来やすいのは次の3点です。逆に言えば、この3つが書いてあれば、問い合わせの大半はその場で解決します。

記載項目書く内容の例抜けていると起きること
利用目的採用選考および採否の連絡のために利用する/選考以外の目的には使わない「他の求人にも回されるのか」と聞かれる。流用の判断が社内で割れる
保管期間と廃棄選考終了後◯ヶ月で廃棄する/返却の有無不採用者の書類が社内に残り続ける。返却を求められたときに対応が決まらない
問い合わせ窓口部署名と共用のメールアドレス(個人名は避ける)退職者宛に問い合わせが届き、誰も気づかない

**保管期間は、法令で一律の年数が決まっているわけではありません。**自社で期間を決めて、それを守れる運用にすることが現実的です。期間の決め方と廃棄の手順そのものは不採用者の応募書類は、いつまで保管していつ捨てるかで詳しく整理しているので、そちらを先に読んでから文面を直すと迷いません。

どこに置くか。3つの掲載面で役割が違う

同じ内容を全部の場所に長文で載せる必要はありません。詳しく書く場所を1つ決めて、他はそこへ誘導する形にすると、更新が1箇所で済みます。

採用ページ(詳しく書く本体)

自社サイトの採用ページ、または個人情報保護方針のページに、利用目的・保管期間・窓口を含む本文を置きます。ここが原本です。更新日を本文の末尾に入れておくと、次に見直すとき「いつの記載か」が分かります。

応募フォーム(同意の取得点)

応募フォームは、応募者が実際に情報を送信する場所です。送信ボタンの手前に、原本ページへのリンクと「内容に同意のうえ送信してください」といった一文を置く形がよく使われます。チェックボックスを必須にするかは運用次第ですが、**同意の記録をどこに残すかを決めておかないと、後から確認できません。**自動返信メールに同意した旨と原本ページのURLを含めておくと、応募者側にも記録が残ります。

フォームそのものが正しく動いているかの確認も、このタイミングで一緒にやっておくと二度手間になりません(採用ページの問い合わせフォームからのメールが届いていないときの点検)。

媒体原稿(短い一文とリンク)

求人媒体の原稿欄は文字数が限られ、外部リンクを置けない媒体もあります。長文を貼ると求人の本文が読みにくくなるため、「応募時にいただいた個人情報は、採用選考の目的にのみ利用します。詳細は当社採用ページに掲載しています」程度の一文に留める形が現実的です。媒体の応募画面には媒体側の規約と同意導線が入っていることが多いので、自社の記載と重複していないかも見ておきます。

窓口が退職者名のままになっていないかを点検する

ここが、採用担当が辞めた会社でいちばん放置されやすい箇所です。以下を掲載面ごとに確認してください。

確認する場所見るところありがちな状態
採用ページ/個人情報保護方針問い合わせ先の氏名・メール・電話退職者の個人名と内線番号が残っている
応募フォーム送信先アドレス、自動返信の差出人名前任者の個人アドレス宛に転送されている
自動返信メールの本文署名欄、担当者名「採用担当 ◯◯」のまま
媒体原稿・スカウト文面本文中の連絡先媒体ごとに違う連絡先が書かれている
不採用通知・面接案内のテンプレート署名欄と問い合わせ先使い回しのまま誰も直していない
会社案内・説明資料(PDF)巻末の連絡先サイトは直したが配布物が古い

連絡先は、個人名ではなく部署名と共用アドレスに寄せておくと、担当が替わっても書き換えが発生しません。移行の手順は採用の連絡先を個人名アドレスから共用アドレスへ移すにまとめています。自社サイト側の更新権限が誰にあるか分からない場合は、自社の採用ページと無料掲載が放置されているときの手順から入るほうが早いことが多いです。

書き換えるときの進め方と確認先

文面を直す順番は、応募者が実際に通る順(媒体原稿 → 応募フォーム → 採用ページ)ではなく、原本から直します。採用ページの本文を確定させ、そこへのリンクを各所に差し替えるほうが、途中で内容が食い違いません。

直す前に確認しておきたいのが、次の点です。

  • 現在の記載を誰がいつ作ったか(制作会社に依頼していた場合、更新も依頼が必要なことがあります)
  • 採用管理システムや外部の委託先に応募者データを渡しているか。渡しているなら、その旨を記載に含めるべきかを確認する
  • 過去の応募者に対して、当時の記載と異なる扱いをしていないか

法令上の要件や、自社の書き方がそれを満たしているかの判断は、この記事では断定できません。個人情報保護委員会が公表しているガイドラインと事業者向けの解説が一次情報になります。そのうえで、自社の文面として問題がないかは顧問弁護士に、採用・労務の運用面を含めた点は顧問社労士に確認してください。ひな形をそのまま流用すると、実際の運用(保管期間や委託の有無)と記載が食い違うことがあるため、書いた内容を守れるかどうかを先に決めてから文面にする順序が安全です。

一度直したら、点検の担当を決めておく

この種の記載は、直した直後は正しく、半年後にはまた古くなります。採用担当が交代したとき、サイトをリニューアルしたとき、採用管理の方法を変えたときの3つが、ずれが生まれるタイミングです。

現実的な運用は、採用の月次点検の項目に「問い合わせ窓口の氏名・アドレスが現職のものか」を1行加えておくことです。所要時間は数分で、担当者本人ではなく管理部門が見るほうが、交代時にも点検が続きます。


応募者の個人情報の記載は、採用が止まっている間ほど放置されます。そして、求人を再開した瞬間に応募者の目に触れます。採用担当が不在で、媒体の契約も応募フォームの送信先も分からないという状態であれば、まずは何がどこにどう残っているかの棚卸しから始めてください。

株式会社Talencoの採用担当引き継ぎ代行は、止まった求人活動の復旧、後任の採用、引き継ぎと業務改善までを一括で担うサービスです。後任は採用担当の経験者でなくても構いません。当社が育てたうえでお渡しします。標準プランは4ヶ月・200万円(税別・広告費込み・分割可)で、ほかに復旧のみの2ヶ月プランもあります(料金プラン)。

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