未経験の採用担当に、何を目標として持たせるか
前任の採用担当が辞め、社内から選んだ人、あるいは未経験で採った人に採用を任せることになった。ここで多くの会社が最初に決めるのが「半年で3名採用」といった人数目標です。分かりやすく、経営としても管理しやすい数字に見えます。
ただ、この数字は本人が頑張っても動かない要素で大半が決まります。募集する職種の市場、給与条件、面接官の空き、決裁の速さ。未経験の担当者にいきなり人数を背負わせると、本人の努力と評価が結びつかず、半年で自信を失って辞めるという結果になりやすいです。未経験者を後任に置く前提そのものについては後任は未経験でいい。採用担当が4ヶ月で育つ理由で整理しているので、ここでは「では何を目標にするか」だけを扱います。
人数目標が未経験者に向かない理由
採用人数は、担当者の行動から数えて4つも5つも先にある結果です。応募が来る→返信する→面接が組まれる→面接官が評価する→条件を提示する→本人が承諾する。このうち未経験の担当者が自力で制御できるのは、前半の返信と日程調整までです。
後半には、給与の上限、現場の面接可能日、経営の決裁スピードといった会社側の事情が入ります。担当者の目標は、本人の行動で動かせる範囲から始めて、制御できる範囲が広がるにつれて結果に近づけていくのが現実的です。
3ヶ月・6ヶ月・1年で持たせる目標
段階の目安を並べます。期間は職種数や応募量で前後するので、あくまで目安として読んでください。
| 時期 | 目標の種類 | 具体例 |
|---|---|---|
| 着任〜3ヶ月 | 行動指標のみ | 応募への一次返信を翌営業日までに完了/週初の未対応件数ゼロ/媒体の管理画面を一人で操作できる |
| 4〜6ヶ月 | 中間指標を追加 | 月あたりの面接設定数/面接の無断キャンセル率の把握/求人原稿を自分で修正して差分を記録 |
| 7〜12ヶ月 | 結果指標を追加 | 職種別の採用人数/1人あたり採用単価/翌期の採用計画の草案作成 |
着任〜3ヶ月は「落とさない」ことだけ
最初の3ヶ月は、応募者を取りこぼさない運用を身体に入れる時期です。返信のリードタイム(応募が入ってから一次返信までの時間)と、未対応件数ゼロの2つで十分です。どちらも本人の行動でそのまま動く数字で、しかも採用結果に効きます。返信の遅れが何を招くかは応募者への返信速度が採用結果をどう変えるかに譲ります。
この時期に人数を問うと、本人は「決まらないのは自分のせい」と受け取ります。逆に返信と未対応件数だけを見ると、達成感を積みながら覚えられます。
4〜6ヶ月は面接設定数へ
行動が安定したら、面接設定数を中心の指標にします。応募者を選考の場に乗せるまでが担当者の仕事、という線引きです。ここには媒体の選び方や原稿の書き方も効いてくるので、担当者の工夫が数字に出やすくなります。
同時に、上司側は面接官の稼働と決裁の速さを自分の課題として持ってください。担当者が面接を組もうとしても面接官の枠がなければ数字は伸びません。
7〜12ヶ月で採用人数を渡す
1年目の後半で、ようやく採用人数を目標に入れます。このとき条件が2つあります。給与条件の提案を担当者が起案できること、そして採用の可否を誰が決めるかが明文化されていること。決裁の経路が曖昧なままだと、人数目標は「自分では止められない渋滞の責任」になります。
上司が見る面談の頻度
| 時期 | 頻度 | 話す内容 |
|---|---|---|
| 着任〜1ヶ月 | 週1回・15分 | 未対応の応募がないか、判断に迷った件はどれか |
| 2〜3ヶ月 | 週1回・15分 | 数字の確認に加えて、自分で直した箇所の共有 |
| 4〜6ヶ月 | 隔週・30分 | 面接設定数の推移と、詰まっている工程の特定 |
| 7ヶ月以降 | 月1回・30分 | 結果指標と、翌月の打ち手の相談 |
長い面談は要りません。見る数字を絞れば15分で足ります。確認する数字の選び方は採用の進捗を週15分で確認するための数字にまとめています。
達成できなかったときに疑う順番
目標に届かないとき、本人の能力を最初に疑うと立て直しが遅れます。次の順で確認すると、体制側の問題が先に出てくることが多いです。
- 面接官の枠は足りていたか。日程が出せない状態が続いていなかったか
- 決裁は何日で降りていたか。条件提示までに待ち時間がなかったか
- 任せた範囲が広すぎないか。職種数と応募量に対して時間が足りているか
- 求人条件そのものが市場とずれていないか
- その上で、本人の行動指標(返信・未対応件数)は守れていたか
1〜4が崩れていれば、目標の未達は担当者の問題ではありません。ここを飛ばして人を替えると、同じことが繰り返されます。後任が回らないときの切り分けは後任が立ち上がらない/早期に辞めたときの立て直しも参考になります。
目標設計まで含めて外に出す選択
未経験者を育てる場合、教える内容だけでなく「どの時期に何を評価するか」を決める側にも経験が要ります。当社の採用担当引き継ぎ代行では、止まった求人活動の復旧と後任の採用に加えて、この目標設計と週次の見方を引き継ぎの一部として残します。標準プランは4ヶ月・200万円(税別、広告費込み、分割可)です。範囲の違う短期・長期のプランは料金プランをご覧ください。
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