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引き継ぎと属人化

採用の共有フォルダを作り直す。最小のフォルダ構成と権限

採用担当が退職したあと、書類を探すところから仕事が始まる会社は多いと思います。求人原稿の最新版は前任者のPCのデスクトップ、媒体の契約書は経理のキャビネット、履歴書は個人のGmailの添付ファイル。誰かに「あの求人の原稿を直しておいて」と頼んでも、そもそも原稿がどこにあるか分からないので着手できません。

この記事は、散らばった採用の書類を社内の共有フォルダへ移すときの、最小の構成と権限の決め方だけを扱います。誰がどの選考のどの段階にいるかという進捗の管理は別の話なので、そちらは応募者管理表をExcelで作り直す。最低限の列と運用ルールを参照してください。ここで決めるのは「ファイルの置き場所」です。

まず、散っている場所を書き出す

作る前に、今どこに何があるかを1枚に書き出します。経験上、採用の書類は次の5か所に散っていることが多いです。

  • 前任者の個人ドライブ、またはPCのローカル
  • 前任者の会社メールの添付ファイル(送受信の履歴に埋まっている)
  • 求人媒体や採用管理システムの管理画面の中
  • 経理・総務が保管している契約書と請求書の紙
  • 面接官が個人で持っている面接メモ

私物の端末や個人アカウントに残っている分は、フォルダを作る前に回収と削除の依頼が要ります。この手順は応募者の個人情報が退職者のPCや個人アカウントに残っているときに整理しました。共有フォルダを作る目的は、個人の手元に書類が残らない状態をつくることでもあります。

フォルダは5つに絞る

階層を深くすると、後任が「どこに入れるか」を毎回迷います。迷ったファイルは結局デスクトップに置かれ、また属人化します。第1階層は5つまでに絞り、その下も1階層までにしておくと運用が続きやすくなります。

フォルダ置くもの下の階層の例
1_契約と請求媒体の申込書・契約書、人材紹介の基本契約書、請求書の控え媒体名ごと
2_求人原稿各職種の原稿の最新版、媒体入稿用の原稿、掲載画面のスクリーンショット職種ごと
3_応募者履歴書・職務経歴書、面接メモ、評価シート進行中/終了
4_書式内定通知書、労働条件通知書、応募者への定型メール文、評価シートの空欄版なし
5_手順書媒体の操作手順、返信の手順、アカウント一覧(IDのみ)なし

この5つにした理由は、探す動機が5種類しかないからです。お金の話をするときは1、募集の中身を直すときは2、人を選ぶときは3、書類を出すときは4、作業のやり方が分からないときは5。「採用計画」「参考資料」「その他」のようなフォルダを作ると、どれにも入らないファイルの避難所になり、半年で中身が読めなくなります。

書式のフォルダに何を入れるかは内定通知書・労働条件通知書の書式が見つからないとき、手順書に何を書くかは採用フローを手順化するとき、最初に書くべき5項目で扱っています。

権限は「応募者フォルダだけ別扱い」にする

権限設計で失敗しやすいのは、全部を同じ設定にすることです。全社員が見られるようにすると履歴書が漏れ、逆に全部を厳格にすると現場の面接官が原稿も見られず、結局メール添付で回り始めます。

分け方はひとつだけ覚えれば足ります。応募者フォルダは個人情報が入るので閲覧者を限定し、それ以外は採用に関わる人が広く見られるようにします。

フォルダ閲覧できる人編集できる人
1_契約と請求経営層、管理部門、採用担当管理部門、採用担当
2_求人原稿上記+現場の部門長・面接官採用担当、管理部門
3_応募者採用担当、管理部門責任者、選考に関わる面接官のみ採用担当
4_書式採用担当、管理部門管理部門
5_手順書採用に関わる全員採用担当、管理部門

応募者フォルダの下は「進行中」と「終了」に分け、面接官には自分が担当する職種の進行中フォルダだけを共有する運用が扱いやすいです。終了した応募者の書類は、閲覧を管理部門と採用担当に戻します。保管期間と廃棄の考え方は不採用者の応募書類は、いつまで保管していつ捨てるかにまとめました。

権限の付与者は、採用担当ではなく管理部門に置いておくことをおすすめします。採用担当が入れ替わっても、フォルダの持ち主が変わらないためです。

命名ルールは2つだけ決める

細かい命名規約を作っても守られません。次の2つに絞ると、後任が未経験でも運用できます。

  1. 先頭に日付を入れる(YYYYMMDD)
  2. 最新版だけを残し、旧版はアーカイブへ移す
良い例避けたい例
20260401_営業職_求人原稿_A媒体.docx求人原稿(最新).docx
20260315_A媒体_契約書.pdf契約書.pdf
20260620_〇〇様_職務経歴書.pdf職務経歴書2.pdf

「最新」「最終」「修正版」といった語は、次に誰かが触った瞬間に嘘になります。日付が入っていれば、どれが新しいかを開かずに判断できます。

古い書類は消さずに「保管」フォルダへ

作り直しの途中で必ず出てくるのが、用途の分からない古いファイルです。判断に迷って手が止まるくらいなら、第1階層に「0_保管」を1つだけ作り、そこへまとめて放り込んでください。中身の整理は後回しで構いません。前任者しか経緯を知らない契約書や、数年前の求人原稿が後から役に立つことがあります。

ただし、応募者の個人情報が含まれるファイルは保管フォルダに入れず、応募者フォルダの「終了」側に入れて閲覧を絞ります。保管期間の社内ルールがまだ無い場合は、この機会に決めておくと後任が判断に迷いません。

移す順番

一度に全部やろうとすると終わらないので、今の業務が止まっている箇所から順に移します。

  1. 契約と請求(更新日と支払いが先に来るため)
  2. 進行中の応募者(今日連絡が要る人がいるため)
  3. 求人原稿(掲載を再開するときに要る)
  4. 書式と手順書(後任が着任してから一緒に作ってもよい)

4の手順書は、最初から完成させる必要はありません。後任が実際に操作しながら書き足していく方が、使える内容になりやすいです。


フォルダを作ること自体は半日の作業ですが、実際には「どの契約が生きているか分からない」「進行中の応募者が何人いるか分からない」という段階で止まることが多いはずです。その棚卸しから引き継ぎ、後任の採用と育成までをまとめて引き受けるのが採用担当引き継ぎ代行です。後任は採用担当の経験者でなくてよく、こちらで育てて引き継ぎます。標準プランは4ヶ月・200万円(税別・広告費込み・分割可)で、内訳は料金プランに掲載しています。

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