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引き継ぎと属人化

未経験の採用担当候補を、面接でどう見極めるか

採用担当の後任を「未経験でもいい」と決めたところまでは進んだ。求人を出したら数名が応募してきた。では、その中の誰を選べばいいのか——ここで手が止まる会社は多いです。人事の経験がない人を面接するのに、人事の知識を聞いても意味がない。かといって「明るくて感じがいい」だけで決めるのも心もとない。

この記事は、求人票の書き方ではなく、面接の場で何を確認するかに絞って整理します。後任の求人をこれから出す段階の方は採用担当を採用するときの求人票の書き方を、そもそも未経験者で回るのかという前提が気になる方は後任は未経験でいい。採用担当が4ヶ月で育つ理由を先にご覧ください。

見るのは「経験」ではなく「習慣」

未経験者を採用担当に据える場合、面接で確認できるのは知識ではありません。知識は入社後に教えられます。教えにくいのは、これまでの仕事の中で身についてしまっている習慣のほうです。

採用担当の仕事は、派手な企画よりも「決まったことを、決まった速さで、正確に、途切れさせずに回す」比重が大きい。応募者への返信が3日遅れれば辞退につながりますし(応募者への返信速度が採用結果をどう変えるか)、条件を1万円間違えて伝えれば内定後にもめます。面接で見るべきは、この「止めない・間違えない」がすでに習慣になっているかどうかです。

そして習慣は、意見を聞いても分かりません。「連絡はこまめにするタイプですか」と聞けば全員が「はい」と答えます。過去に実際にどう行動したかを、具体的な場面ごと聞き出す形にする必要があります。

確認したい4つの資質と、その聞き方

見たいこと質問の形回答の見方
連絡を止めない習慣「前職で、相手からの返事を待たせてしまった経験はありますか。そのときどうしましたか」「まだ確認中ですが今週中に回答します」のような中間連絡を入れた話が出るか
条件を正確に伝える正確さ「金額や日付を扱う業務はありましたか。間違いを防ぐために自分でやっていた工夫は」ダブルチェック・コピペ元を決める・口頭で言わないなど、自分なりの手順があるか
断る場面への耐性「相手にとって良くない知らせを伝えた経験を教えてください。どう伝えましたか」事実を伝えたうえで、相手の反応に飲み込まれずに済んだ話ができるか
数字への抵抗のなさ「日々の数字を見て動く仕事はありましたか。どんな数字を、どのくらいの頻度で見ていましたか」数字を「集計させられていた」のか「見て次の手を変えていた」のかの差

連絡を止めない習慣

採用は、応募者・現場の面接官・媒体の営業・紹介会社という複数の相手と同時進行でやり取りする仕事です。得意なのは「早く返すこと」よりも「返せないときに、返せないと伝えられること」。

深掘りの質問は「その連絡は誰が決めてやったことですか」が有効です。上司の指示で動いていた人と、自分の判断で入れていた人は、入社後の動き方が変わることが多いです。

条件を正確に伝える正確さ

給与、勤務地、試用期間、休日数。求人票と面接での説明と労働条件通知書がずれると、辞退や入社後のトラブルに直結します。経理、受発注、請求業務、シフト作成など、数字と日付を扱っていた経験がある人は、この習慣を持っていることが多いです。

「間違えたことはありますか」と聞いて、素直に事例を出せるかも見ておきたいところです。ミスをなかったことにする人は、採用でも報告が上がってこなくなります。

人に断る場面への耐性

採用担当は、不採用の通知を出す仕事でもあります。ここが苦手だと、連絡が後回しになり、結果として応募者を放置する状態が生まれます(求人を止めている間に、応募者はどうなるのか)。

クレーム対応、督促、契約更新の断りなど、相手の期待に沿えない場面を経験している人は耐性がある場合が多いです。ここで聞きたいのは「言い返せる強さ」ではなく、感情を持ち込まずに事実を伝えられたかどうかです。

数字への抵抗のなさ

応募数、面接設定数、辞退数、未対応件数。採用の進捗はこの程度の数字で足ります。必要なのは分析力ではなく、毎週決まった数字を数えて報告することを面倒がらない性格です。

「Excelは使えますか」ではなく、「前の仕事で自分が数えていた数字は何ですか」と聞くほうが実態が出ます。

逆に、見なくてよいこと

見なくてよい要素理由
人事や労務の知識入社後に手順書と実務で身につく範囲。知識の有無で選ぶと母集団が薄くなる
話し方の明るさ・愛想応募者対応の大半は文面。会話の印象と、文章で条件を正確に書ける力は別
志望動機の熱量未経験職種への転職では、熱意を語れる人ほど実務のイメージがないこともある
学歴・前職の会社規模採用担当の日常業務との関係が薄い
面接の場での説明のうまさ面接官として応募者を説得する場面は、社内の面接官が担うことも多い

とくに「明るさ」は評価に紛れ込みやすい要素です。面接という会話の場では、話し上手な人が高く見えます。ただ、採用担当の仕事時間の多くはメール・チャット・管理画面の操作に使われます。会話の印象で選ぶと、入社後に「返信が遅い」「条件を口頭で言ってしまう」といったズレが出ることがあります。

質問の仕方で気をつける3点

  1. 仮定の質問をしない。 「もし応募者から怒られたらどうしますか」は誰でも模範解答を作れます。「過去に怒られた場面」を聞いてください。
  2. 1つの話を3段まで掘る。 「何があったか」→「どう動いたか」→「なぜそうしたか」。3段目で本人の判断が出ます。
  3. 答えが出ないときは無理に引き出さない。 経験がないなら「その経験はない」と答えられること自体が正直さの確認になります。

面接後は、印象ではなく発言を残す

複数名を比較するときに効くのは、面接官の感想メモではなく、応募者が実際に語った事実です。「返事を待たせたとき、翌日に中間連絡を入れた」「請求書の金額ミスを月1回の突合で防いでいた」といった発言を、そのまま書き残しておきます。

判断基準を言語化して残しておくこと自体が、次の採用担当が辞めたときの保険にもなります。あわせて採用業務の属人化を解く。引き継ぎ書に必ず書く12項目もご覧ください。

選んだあとが本番

面接で見極めたい資質は、以上の4つに絞って構いません。ただし未経験者を選んだ以上、入社後に誰が何をどの順番で教えるかを決めておかないと、後任は動けないまま数ヶ月が過ぎます。前任者がすでに退職している会社では、社内に教えられる人がいないことも珍しくありません。

株式会社Talencoの採用担当引き継ぎ代行は、止まった求人活動の復旧、後任の採用、そして後任が一人で回せる状態までの育成と業務改善を、標準4ヶ月で一括してお引き受けします。後任は採用担当の経験者でなくて構いません。当社が育てたうえで引き継ぎます。費用は料金プランに掲載しています(標準プランは4ヶ月・200万円/税別・広告費込み・分割可)。

まずは現状の把握からで構いません。媒体アカウント・契約・進行中の応募者の棚卸しを行う「採用ストップ診断」までは無料です。ご相談はLINE公式からお受けしています。

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