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入社日が近いのに、PC・席・入館証の手配が誰も進めていない

雇用契約書は交わした。社会保険の届出も社労士に投げた。それなのに入社日の2週間前になって、「この人のパソコンは誰が頼んだのか」と誰も答えられない——採用担当が退職した会社で、かなりの確率で起きる状況です。

書類の手続きには期限が外から決まっているので、気づく人がいます。一方で、PCや席や入館証といった「現場側の受け入れ準備」は、期限を知らせてくれる相手がいません。前任の採用担当が内定者と現場の間に立って、口頭で発注をかけていた場合、その声かけごと消えます。この記事では、手配に日数がかかる順に6点を並べ、残り日数別に何を確認するかに落とします。書類・社会保険まわりは入社直前の内定者の手続きが止まっているときの確認項目で扱っているので、ここでは物理的な受け入れ準備に絞ります。

なぜこの6点だけが落ちるのか

入社に関わる仕事は、おおまかに「契約・届出」と「受け入れ準備」に分かれます。前者は労務や総務の定常業務として誰かの担当表に載っていることが多い一方、後者は情シス・総務・配属先・採用担当にまたがり、担当表のどこにも全体が載っていないことがよくあります。

採用担当は、この分断を「人」でつないでいました。内定者から制服のサイズを聞き、情シスにPCを頼み、ビル管理会社に入館証の申請を出す。本人が抜けると、各部署には「自分のところに依頼が来ていない」という認識だけが残ります。依頼が来ていないのではなく、依頼する人がいなくなっただけという点に、誰かが気づく必要があります。採用と労務の線引きそのものは採用と入社手続きの担当を、どこで区切るかで整理しています。

手配に日数がかかる順に並べる

着手の目安は、一般的な社内手続きを前提にした目安です。自社の調達ルールや取引先によって変わるので、実際の日数は発注先に確認してください。

項目手配にかかる日数の目安遅れる主な原因
PC・業務端末在庫があれば数日、発注からだと数週間見積取得と稟議、初期設定(キッティング)の順番待ち
制服・作業着・安全靴既製品の在庫なら数日、名入れや特注は数週間サイズを本人に聞けていない、発注ロットの制約
入館証・セキュリティカード数日〜2週間程度ビル管理会社への事前申請、顔写真の提出
メールアドレス・各種アカウント1日〜1週間程度ライセンス追加購入の決裁、情シス不在
席・ロッカー・駐車場数日フロアが埋まっていて席替えを伴う
初日の受け入れ担当日数は不要だが予定の確保が必要配属先の管理職が当日出張・休暇

日数そのものより、前の工程が終わらないと次が始まらない依存関係が問題になりやすい箇所があります。PCは「機種決定→稟議→発注→納品→初期設定」と並び、どこか1つが1週間止まれば全体が1週間後ろにずれます。入館証も、顔写真の提出を本人に依頼するところから数えると、見た目の日数より長くかかります。

残り日数別の確認リスト

入社3週間前に確認すること

ここで押さえるべきは、日数のかかる3点です。

  • PC:在庫で出せるか、発注が必要か。発注なら納期と、初期設定を誰がいつやるか
  • 制服・安全靴:本人にサイズを確認したか。確認していなければ今日連絡する
  • 入館証:申請先(自社か、ビル管理会社か)と必要書類。写真が要るなら本人に依頼する

あわせて、内定者本人への連絡が途切れていないかも見てください。入社前の接点が切れている場合の戻し方は内定者フォローが途絶えたときの立て直し方にまとめています。

入社1週間前に確認すること

  • メールアドレスの発行と、必要な業務システムのアカウント追加
  • 席・ロッカー・駐車場の割り当て(誰の隣か、まで決める)
  • 初日の受け入れ担当とスケジュール(何時にどこへ来てもらい、誰が迎えるか)
  • 本人への初日案内の送付(集合場所・時刻・持ち物・服装・担当者の氏名と連絡先)

初日案内を送っていないケースが意外と多く見られます。前任者が「当日は私が1階で待っています」と口頭で伝えていた場合、その約束は社内に残っていません。

前日に確認すること

  • PCが起動し、本人のアカウントでログインできるか(実機で確認する)
  • 入館証が手元にあるか。未着なら当日の受付での通し方を決めたか
  • 初日の受け入れ担当が出社予定か。急な外出が入っていないか
  • 席に椅子と備品があるか(椅子が足りない、は実際に起きます)

間に合わないときの初日の乗り切り方

残り日数が足りないと分かった時点で、当日の代替策を決めておくと事故になりにくくなります。

間に合わないもの初日の代替案
PC共用端末や貸出機を1台確保する。初日を社内説明・書類記入・現場見学に充てる
入館証受付に氏名と入社日を事前連絡し、来客用の一時カードを用意する
メールアドレス当面の連絡は上司のアドレスをCCに入れて運用し、発行日を本人に伝える
制服代替の作業着を貸与し、安全に関わる装備(安全靴など)だけは優先して確保する
席空席や会議室を期間限定で使う。いつ正式な席になるかを本人に伝える

重要なのは、代替で回すこと自体ではなく、本人に「いつ正規のものが揃うか」を伝えることです。説明がないまま借り物で数日過ごすと、受け入れ体制への不安が残りやすくなります。遅れた事情を隠さず、復旧の見込みと担当者名を添えて伝えるほうが、関係はこじれにくいです。入社後の立ち上がりを誰が見るかについては入社直後の社員のフォローが止まっているときに拾うことも参照してください。

次の入社者で同じことが起きないようにする

今回を乗り切ったら、この6点を1枚のリストにして、入社日が決まった時点で誰かが着手する運用に変えます。凝った様式は要りません。項目・依頼先・着手日・完了日・確認者の5列があれば足ります。

置き場所は、採用担当の個人フォルダではなく管理部門の共有フォルダにします。安全靴や入館証のように、担当者が代わっても毎回同じ手順で発注するものは、発注先の会社名と連絡先までリストに書いておくと、次に人が抜けても止まりません。


入社日が迫った人の受け入れ準備は、止まっている採用業務の中でも期限が外から決まっている部類です。ここを押さえたら、次は求人の再開と後任の採用に進む必要があります。

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