採用担当を正社員で置くか、外部委託と兼任で回すか
採用担当が退職したあと、「同じように正社員を1名採るべきか、それとも外に出して社内は兼任で回すか」で止まっている会社は多くあります。求人票を書きかけたものの、給与をいくらに設定すればいいのか、そもそもこの採用人数で専任を1人抱えるのが妥当なのかが判断できない、という状態です。
この問いは、費用の比較から入ると答えが出ません。**先に決めるべきは「年間で何人採るのか」**です。採用人数が決まれば、専任1名を置いたときの1人あたり負担が計算でき、外部委託と兼任の組み合わせで足りるかどうかも見えてきます。この記事では、その順番で試算を組み立てます。
先に固定するのは年間の採用人数
年間採用人数は、来期の事業計画と欠員の見込みから出します。「増員で3名、退職補充で2名、合計5名」という粒度で構いません。精度より、社内で合意された数字であることが大事です。
この数字が決まっていないまま採用体制を議論すると、「人が足りないから採用担当も要る」という感覚論になり、繁忙期が過ぎたあとに専任が手持ち無沙汰になることがあります。採用単価と年間予算の出し方は採用単価から逆算する採用予算の立て方で整理しています。
正社員1名を置いたときの年間総コスト
採用担当を正社員で雇う場合、給与だけを見ると実態と合いません。社会保険料の会社負担、採用にかかった費用、そして立ち上がり期間の生産性を含めて考えます。
以下は年収450万円で採用した場合の試算例です。金額はいずれも目安で、地域や職種によって上下します。
| 項目 | 年額の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 給与(年収) | 450万円 | 相場は地域・企業規模で幅がある |
| 社会保険料の会社負担 | 約68万円 | 給与の15%前後で概算 |
| 採用時の費用(紹介経由) | 135〜160万円 | 理論年収の30〜35%が相場。初年度のみ |
| PC・ツール・研修等 | 10〜20万円 | 初年度に発生しやすい |
| 初年度合計 | 約660〜700万円 | 2年目以降は約520万円 |
採用担当の給与水準の考え方は採用担当の給与相場と、後任にいくら払うべきかにまとめています。
ここに媒体費は含まれていません。人件費とは別に、年間の広告費・紹介手数料が乗ります。
外部委託+社内兼任で回す場合
もう一方の選択肢は、応募対応や日程調整などの作業を外部に出し、判断が要る部分だけを総務や管理部門の責任者が兼任で持つ形です。
| 項目 | 年額の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 採用代行(月額型) | 120〜360万円 | 月10〜30万円が一つの相場帯 |
| 社内兼任者の時間コスト | 60〜100万円 | 週5〜8時間を人件費換算した概算 |
| 合計 | 約180〜460万円 | 委託範囲によって幅が大きい |
委託範囲によって金額が大きく動くため、見積もりは「何を任せるか」とセットでしか比較できません。契約範囲に含まれないことが多い業務は採用代行の費用相場と、どこまで任せられるかの境界線で具体的に挙げています。
兼任側の限界も見ておく必要があります。募集職種が増えたり、決算期と採用の繁忙期が重なったりすると、兼任では回らなくなることがあります。この線引きは総務兼任で採用を回す限界はどこにあるかを参照してください。
年間採用人数から見た分岐
上の2つを、年間採用人数で割ってみます。専任の人件費を年520万円(2年目以降)とした場合の、採用1人あたりに乗る体制コストです。
| 年間採用人数 | 専任1名の1人あたり体制コスト | 傾向 |
|---|---|---|
| 3名 | 約173万円 | 専任は割高になりやすい |
| 5名 | 約104万円 | 外部委託と拮抗しやすい帯 |
| 12名 | 約43万円 | 専任が有利になりやすい |
| 20名以上 | 約26万円 | 専任+外部の併用が現実的 |
おおまかには、年間十数名を超えるあたりから専任を置く合理性が出てきて、数名にとどまるうちは外部委託と兼任の組み合わせのほうが安くつきやすい、という傾向になります。ただしこれは費用だけを見た場合の話です。
安いほうを選ぶと、知見が社内に残らない
採用人数が少ない会社ほど外部委託が有利に見えますが、そこには裏側があります。外部に出した期間が長いほど、どの媒体でどんな人が採れたか、どんな条件で辞退が出たかという判断材料が社内に蓄積されません。
そうなると、次に採用が必要になったときに毎回ゼロから外部に説明することになり、契約を切り替えるたびに立ち上げ直しが発生します。委託先が変わると、過去の応募者データや原稿の改善履歴が引き継がれないこともあります。
つまり、費用だけで選ぶと「安いが毎回外に依存する」状態が固定されます。逆に、人数が少ないのに専任を置くと、1人あたりのコストが跳ね上がります。この二律背反が、この判断を難しくしている本体です。
判断の順番
費用比較の前後を含めて、次の順で決めると迷いにくくなります。
- 来期の年間採用人数を数字で確定する(増員+退職補充)
- 募集職種の数と、面接の同席が必要な部署を洗い出す
- 年間十数名を超えるか、複数職種を常時募集するなら専任を検討する
- 数名にとどまるなら、作業は外部・判断は社内という分担で組む
- どちらの場合も、媒体アカウントと応募者データの所在は社内に置く
5番目は費用に関係なく共通です。外部に任せる場合でも、アカウントの名義と応募者情報の保管場所が社内にあれば、委託先が変わっても復旧できます。
「置くか、出すか」以外の選択肢
もう一つ、専任を置くこと自体は決めたうえで、立ち上がるまでの期間を外部が埋めるという形があります。当社の採用担当引き継ぎ代行は、止まった求人活動の復旧と並行して後任を採用し、4ヶ月かけて実務を引き継ぐ設計です。
| プラン | 期間 | 費用(税別・広告費込み) |
|---|---|---|
| 復旧のみ | 2ヶ月 | 80万円 |
| 標準 | 4ヶ月 | 200万円 |
| 完全 | 6ヶ月 | 300万円 |
後任は採用担当の経験者でなくても構いません。経験者に限定すると母集団が薄くなり単価も上がるため、社内異動や未経験採用でも成立するよう、当社が育てたうえで引き継ぎます。分割払いにも対応しています。
年間の採用人数が数名でも、社内に判断できる人を1人残しておくと、次に採用が必要になったときの立ち上げが軽くなります。どの形が自社に合うか迷う段階でも構いません。まずは採用担当引き継ぎ代行の進め方と料金プランをご確認ください。採用ストップ診断(媒体アカウント・契約・進行中の応募者の棚卸し)までは無料です。LINE公式からご連絡ください。