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総務兼任で採用を回す限界はどこにあるか

従業員50〜200名規模の会社では、採用を総務や管理部門との兼任で回している例が多くあります。人員配置としては合理的で、実際に回っている会社もあります。

問題は「兼任がだめ」ということではなく、どこまでなら回るのかの線引きが曖昧なまま増えていくことです。限界を超えていることに、超えてから気づきます。

ここでは限界の条件を量で整理します。

兼任が成立する条件

採用業務は、量が一定以下なら他業務と両立します。目安は次のとおりです。

指標兼任で回る範囲危険域
同時に募集している職種数1〜2職種3職種以上
月あたりの応募数20件程度まで30件超
月あたりの面接数8件程度まで15件超
使っている媒体数1〜2媒体3媒体以上

この4つは連動します。 職種が増えれば媒体が増え、応募が増え、面接が増えます。どれか1つが危険域に入ったときには、他も入りかけています。

量より効くのは「割り込みの多さ」

ただし、採用業務の負荷は総量だけでは測れません。割り込みが多いという性質があります。

  • 応募はいつ来るか分からない。夜間・休日にも入る
  • 返信は3日以内でないと辞退につながる(理由はこちら
  • 面接の日程調整は相手都合で動く
  • 面接当日は2時間単位で拘束される

一方、総務・労務の業務は期限が決まっている種類のものが中心です。給与計算、社会保険の手続き、年末調整、決算。これらは期日を落とせません。

期限のある業務と、割り込みで入る業務が同じ人に乗ると、優先されるのは必ず期限のある方です。採用は後回しになります。担当者の意識の問題ではなく、業務の性質上そうなります。

破綻するのは繁忙期の重なり

平常時は回っていても、次の時期に重なると破綻します。

時期総務・労務側の業務採用側の状況
4〜5月入社手続き、住民税、保険の定時決定準備新年度の欠員募集が立つ
6〜7月算定基礎届、賞与計算夏の採用シーズン
11〜12月年末調整年内入社を狙う募集
決算期決算対応翌期の人員計画に伴う募集

重なった月に応募対応が止まります。 そして止まったことは記録に残りません。「今月は忙しかった」で終わるため、翌年も同じ月に同じことが起きます。

自社の破綻時期を知る方法は簡単です。過去1年の月別の応募数と面接設定率を並べます。 応募はあるのに面接になっていない月が、限界を超えていた月です。

兼任で持つべきもの、外に出すもの

限界を超えたときの選択肢は「専任を採る」だけではありません。業務を分けて、一部だけ外に出す方が現実的な場合があります。

判断の軸は、社内の情報が要るかどうかです。

兼任で持つべきもの(社内の情報が要る)

  • 面接の実施と合否判断
  • 現場との条件のすり合わせ
  • 配属先の調整
  • 労働条件の決定

これらは会社の内部事情を知らないと判断できません。外に出しても品質が上がりません。

外に出せるもの(手順化できる)

  • 求人原稿の作成と媒体への入稿
  • 媒体の運用と予算配分
  • 応募者への一次返信と日程調整
  • 応募状況の集計と報告

割り込みが多く、判断より速度が要る業務です。ここが兼任担当者の時間をもっとも奪っています。

この分け方をすると、兼任担当者に残るのは「面接と判断」だけになります。月8件の面接なら、兼任でも十分に回ります。

専任を置く判断

外出しでも足りず、専任を採る場合の費用は次のとおりです。

  • 採用担当の年収相場:経験者400〜550万円、未経験350〜420万円
  • 会社の年間負担:年収の約1.15倍で500〜650万円
  • 採用時の紹介手数料:理論年収の30〜35%

詳しくは採用担当の給与相場と、後任にいくら払うべきかにまとめました。

年間500〜650万円の固定費が増えます。募集職種が常時3つ以上あり、年間の採用人数が2桁に乗る見込みがあるなら見合いますが、そうでなければ外出しの方が費用は収まります。

兼任のまま放置したときのリスク

限界を超えた兼任体制を続けると、担当者本人が辞めます。

「自分が休むと採用が止まる」「期限業務に追われて採用が後手に回り、責められる」という状態は、それ自体が退職の理由になります。そして退職すると、総務業務と採用業務が同時に止まります。兼任は、失うときも兼任分まとめて失います。

体制面のリスク全体は採用担当が一人しかいない会社のリスクを整理するに整理しました。

すでに担当者が抜けている場合

線引きの話は、担当者が在籍している前提の話です。すでに退職している、または退職が決まっているなら、優先順位が変わります。

まとめ

  • 兼任で回るのは同時2職種・月20応募・月8面接・2媒体まで。どれか1つが超えたら他も超えかけている
  • 割り込みで入る採用業務は、期限のある総務業務に必ず負ける
  • 繁忙期が重なった月に止まる。過去1年の月別応募数と面接設定率で自社の破綻月が分かる
  • 面接と判断は兼任で持ち、原稿・媒体運用・一次返信・日程調整は外に出せる
  • 専任を置くと年間500〜650万円の固定費が増える

当社の採用担当引き継ぎ代行は、外に出せる業務を引き受けながら、並行して後任を育てます。未経験の総務担当者でも回せる状態にして引き渡すため、兼任のまま続けるか専任を置くかの判断を先送りできます。現状の業務量の棚卸し(採用ストップ診断)までは無料です。

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