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費用と比較

商工会議所・地元の経営者団体経由の紹介採用は使えるか

採用担当が退職し、有料の求人媒体を一度絞ったあと、「では何で人を探すか」という話になります。そこで出てくるのが、商工会議所の部会や法人会、地元の経営者交流会、同業組合といった社外のつながりです。会合の席で「誰かいい人いませんか」と一言言い添えれば済むので、手間も費用もかからないように見えます。

実際、この手段が効く場面はあります。ただし有料媒体とは前提が違うため、同じつもりで使うと「断れない候補者が1人だけ来て、選考が止まる」という状態になりがちです。この記事では、社外の地域ネットワーク経由の紹介採用を、費用・母集団・断り方の3点で検証します。社員に紹介を頼む社内リファラルについては求人が止まっている間、社員紹介(リファラル)で動かせるかで扱っているため、ここでは社外に絞ります。

地域ネットワーク経由の紹介は、何が違うのか

社員紹介は「自社で働いている人が、自分の知り合いを推す」形です。紹介者は職場の実態を知っているので、合わない人をそもそも連れてきにくい構造があります。

対して商工会議所や経営者団体経由は、紹介者が自社の中を見ていません。「知り合いの息子さんが転職を考えているらしい」「取引先を退職した人がいる」といった情報から始まることが多く、候補者本人の希望条件すら固まっていない場合があります。紹介者と候補者の関係も、親族・元同僚・顧客の紹介などさまざまです。

この「紹介者が自社を知らない」という点が、費用の安さと引き換えに背負うことになる構造です。

費用は確かにかからない

金額面だけを並べると、地域ネットワーク経由は明らかに有利です。以下は一般的な費用構造を整理したもので、金額は目安です。

手段直接かかる費用費用の発生タイミング
求人媒体(有料掲載)掲載料(数万円〜数十万円が目安)掲載時点。採用できなくても発生
人材紹介理論年収の30〜35%程度が相場入社時(成功報酬)
社外の紹介(商工会議所・経営者団体)原則ゼロ。会費・会食費程度ほぼ発生しない

ただし、費用がゼロでも時間はかかります。紹介の話が出てから候補者と会うまでに数週間空くことは珍しくありませんし、紹介者への説明、条件のすり合わせ、面接後の報告と、社長や管理部門の手が動く場面は多くなります。無料の手段全般をどこまで試すかについてはお金をかけずに後任を採れるか。無料の手段だけで試す範囲も合わせて見てください。

構造的な弱点は3つある

1. 母集団が「知り合いの知り合い」に偏る

媒体掲載なら、条件に合う人が不特定多数から応募してきます。紹介は逆で、そのネットワークの中にいる人しか出てきません。年齢層、地域、業界の偏りがそのまま候補者の偏りになります。

特定の職種を急いで埋めたいときに、この母集団だけに賭けるのはおすすめできません。紹介は媒体を止めている間の補完策、あるいは媒体と並行して回す2本目として位置づけると現実的です。

2. 書類選考がしにくい

紹介で来る人は、履歴書や職務経歴書を先に出してこないことがあります。「まず一度会ってみてください」という形で面談が設定され、会った時点で断りにくい空気が生まれます。

対策は単純で、紹介を受ける段階で「他の応募者と同じ選考フローで進めます」と紹介者に伝えておくことです。書類の提出、一次面接、合否連絡という手順を変えないと決めておけば、断る場面でも「決めた手順どおりに進めた結果」と説明できます。

3. 断るときに、紹介者との関係が絡む

ここが最大の負担です。断る相手は候補者本人ですが、その報告を受けるのは紹介してくれた経営者です。同じ団体で今後も顔を合わせる相手に「お断りしました」と伝えるのは、媒体経由の不採用連絡とはまったく性質が違います。

備えとして有効なのは、紹介を受ける前に次の3つを言っておくことです。

  • 採用できるかは、こちらの募集条件と合うかで決まること
  • 選考の結果は、紹介者ではなく本人に直接連絡すること
  • 合わなかった場合でも、紹介してもらったこと自体には感謝すること

先に言っておけば、断ること自体が予定された選択肢になります。言わずに進めると、断りの連絡が「裏切り」の形になりかねません。

依頼するときに渡す情報

会合の場で口頭だけ伝えると、条件が曖昧なまま話が進みます。紹介を頼むときは、次の内容を1枚にして渡すか、メールで送っておくと精度が上がります。

項目書く内容
職種名社内呼称ではなく、社外に通じる呼び方
仕事の中身1日の流れがわかる程度に具体的に
勤務地・勤務時間転勤や変更の可能性があればそれも
給与月給または年収のレンジ。相場から外れていないか事前に確認
求める経験「なくてよいもの」も書く
連絡先会社の窓口。個人の携帯にしない

給与のレンジを出す前に、同業同エリアの求人と比べておくと紹介者にも説明しやすくなります。調べ方は募集職種の給与が相場に合っているか、自社で調べる方法にまとめています。

採用担当が不在のときに、特に注意すること

担当者がいない会社で紹介採用を動かすと、記録が残りません。社長が会合で受けた話が社長の頭の中だけにあり、面接日程も個人の携帯でやり取りされ、結果として「あの話はどうなったか」が誰にも追えなくなります。

最低限、紹介で入った候補者も通常の応募者と同じ管理表に載せ、応募経路の欄に「紹介・○○様経由」と記録してください。あわせて、誰が合否を決めるかも先に決めておきます。紹介案件は社長が受けることが多いため、決裁者があいまいだと面接後に判断が宙に浮きます。決め方は採用の可否を誰が決めるかを、紙に1枚で決めておくを参考にしてください。

使いどころの整理

地域ネットワーク経由の紹介が向きやすいのは、募集人数が1〜2名で、急ぎではなく、職種の要件がそれほど厳密でない場合です。逆に、複数名を短期間で採りたい場合や、要件が細かい専門職の場合は、紹介だけで埋まることは少なくなります。

後任の採用担当を探す場面でも同じです。紹介で良い人に出会えることはありますが、それを前提に計画を立てると、紹介が出てこなかった月がそのまま空白になります。紹介は「当たれば得」の枠として持ち、本線は別に置いておくほうが安全です。

採用ストップ診断は無料です

紹介に頼る前に、まず今の状態を把握する必要があります。どの媒体の契約が生きていて、いつ課金が止まるのか、選考が途中で止まっている応募者が何人いるのか。ここが見えていないと、紹介で人が来ても受け止める先がありません。

株式会社Talencoの採用担当引き継ぎ代行は、止まった求人活動の復旧、後任の採用担当の採用、引き継ぎと業務改善までを4ヶ月で一通り行うサービスです。後任は採用担当の経験者でなくても構いません。当社が育てて引き継ぎます。費用は料金プランに掲載しています(標準プラン4ヶ月200万円・税別・広告費込み、分割可)。

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