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トライアル雇用などの手続きが途中で止まっているとき

採用担当が退職したあと、媒体の契約や進行中の応募者は比較的見つけやすい一方で、見落とされやすいのがハローワーク経由の制度の手続きです。トライアル雇用や各種の雇用関係助成金は、採用した時点で終わりではなく、その後に報告や支給申請が続きます。しかもその期限は社内の都合ではなく、国の制度の側で決まっています。

厄介なのは、制度を使っていたこと自体が社内に共有されていないケースが多いことです。前任者が一人で書類を作り、一人で窓口に出していれば、何の制度をどの社員に適用していたのかが誰にも分かりません。この記事では、制度の中身の解説には踏み込まず、「何を使っていたかの特定」と「期限の洗い出し」「どこに相談するか」の三つに絞って手順を整理します。

まず、何の制度を使っていたかを特定する

制度名を推測するより、紙と記録から逆引きするほうが確実です。次の場所を順に当たります。

探す場所見つかりやすいもの
ハローワークの求人票(控え・マイページ)トライアル雇用併用の表示、対象者の限定条件
入社者ごとのファイル紹介状、雇用契約書、実施計画書や確認書の控え
経理の入金記録・雑収入の仕訳過去に受給した助成金の名称と入金月
前任者のメール・共有フォルダ労働局やハローワークとのやり取り、提出書類のPDF
顧問社労士とのやり取り代行申請していた場合の進行状況

特に効くのは入金記録からの逆引きです。助成金が入金されていれば、摘要欄に制度名が残っていることが多く、同じ制度を直近の入社者にも使っていた可能性が高くなります。逆に入金が一度もないのに紹介状や計画書の控えがある場合は、申請が途中で止まっている疑いがあります。

マイページにログインできず求人票の控えも見つからない場合は、求人の状態そのものから確認したほうが早いことがあります。手順はハローワーク求人が失効している/内容が古いときの再掲載手順にまとめています。

期限は社外で決まっている。日付だけを先に書き出す

制度ごとに、対象期間の終了後いつまでに何を出すかが決められています。内容を理解してから動こうとすると時間がかかるので、先に日付だけを一覧にしてください。制度の説明を読むのはそのあとで構いません。

洗い出す列は次の5つで足ります。

列書く内容
対象者氏名・入社日
制度名分からなければ「不明(紹介状あり)」でよい
期間開始日と終了日(契約書や計画書に記載)
次の提出物報告書・支給申請など、控えから読み取れる範囲
期限窓口で確認した日付。未確認なら空欄のまま残す

ここで大事なのは、不明欄を埋めてから出すのではなく、不明のまま一覧にすることです。空欄が残った表のほうが、窓口で聞くべきことがはっきりします。対象者が複数いる場合は、入社日の古い順に並べると、期限が近いものが上に来ます。

なお、障害者雇用に関する年次の報告も同じ性質の「社外で期限が決まっている手続き」です。該当する場合は障害者雇用の対応や年次の報告が止まっているときもあわせて確認してください。

期限を過ぎていそうなときの相談先

期限が過ぎている、または過ぎたかどうか分からない場合、自己判断で諦めないでください。相談先は次の三つです。

  • 求人を出したハローワークの窓口。紹介や求人に紐づく制度は、まずここで「この社員について手続きが残っていないか」を確認できます。社名と対象者の入社日、紹介状の有無を伝えると話が早いことが多いです。
  • 都道府県労働局の助成金担当窓口。助成金の支給申請そのものに関することは、ハローワークではなく労働局が窓口になる制度もあります。どちらに聞けばよいか分からない場合は、ハローワークで聞けば振り分けてもらえることが多いです。
  • 顧問社労士。手続きの代行を依頼していた場合、会社側より状況を把握していることがあります。ただし採用に関する業務がどこまで顧問契約に含まれるかは契約次第です。線引きは顧問社労士に採用業務をどこまで頼めるかで整理しています。

問い合わせるときは「担当者が退職して、手続きの状況が社内で分からなくなっている」と事実をそのまま伝えたほうが、必要な確認事項を教えてもらいやすくなります。隠して質問すると、前提が食い違ったまま回答をもらうことになります。

期限を過ぎてしまった分については、取り戻せないこともあります。その場合でも、残りの対象者について同じ失敗を繰り返さないことのほうが、金額としては大きくなる場合があります。

後任が決まるまで、新規の制度利用は止めるという判断

ここが判断の分かれ目です。制度を使えば会社の負担は軽くなりますが、使うには書類の作成と期限管理が継続して発生します。採用担当が不在で、求人対応すら追いついていない状態で新しく制度の適用を始めると、また同じ場所で止まります。

目安としては、次のように切り分けると迷いが減ります。

  • すでに始まっている分は、期限を洗い出して最後まで完了させる
  • 新規の適用は、期限を管理する担当が社内に決まるまで見送る
  • 見送る場合でも、求人票の記載や窓口への伝え方を変える必要があるため、ハローワークに一度相談しておく

制度の活用は「使えるものは全部使う」より「管理できる範囲だけ使う」ほうが結果的に損が少ないことが多いです。採用の外部委託費そのものに助成金が使えるかという論点は別にあり、こちらは採用の外部委託費に使える助成金はあるのかで整理しています。

誰が引き取るかを、先に決める

この手の手続きは、採用担当の仕事とも労務の仕事とも言い切れない中間に落ちます。だからこそ退職時に宙に浮きます。後任が決まるまでの暫定でよいので、「期限の一覧を持つ人」を一人決めてください。実務を自分でやらなくても構いません。期限が近づいたら誰かに振る、それだけの役割です。

管理部門に置くのが現実的です。採用の繁閑に左右されず、請求書や契約書と同じ棚で管理できるためです。


ハローワーク経由の制度は、求人票・媒体契約・進行中の応募者と同じく、採用担当が抜けた瞬間に所在が分からなくなるものの一つです。株式会社Talencoの採用担当引き継ぎ代行では、止まった求人活動の復旧から、後任の採用、引き継ぎと業務改善までを4ヶ月で行います。後任は採用担当の経験者でなくても構いません(当社が育てて引き継ぎます)。費用は料金プランをご覧ください。

まずは現状の把握からで構いません。採用ストップ診断(媒体アカウント・契約・進行中の応募者の棚卸し)までは無料です。ご相談はLINE公式からお願いします。

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