採用を数ヶ月止めた会社に起きること
採用担当が抜けたあと、目の前の業務を回すことを優先して、求人はいったん止めた。そのまま数ヶ月が過ぎ、現場から「そろそろ採用を再開してほしい」と言われて、はじめて「何から手をつければいいのか分からない」と気づく。この記事は、その段階にいる方に向けたものです。
止めている間に媒体・応募者・社内で何が変わるかは求人を止めたまま3ヶ月経つと、何が変わっているかで整理しているので、ここでは繰り返しません。この記事で扱うのは、再開するときに実際どれだけの作業が発生するのか、それをどの順番で、誰がやるのかの3点だけです。
止めた期間別、再開時の作業量の目安
同じ「採用再開」でも、止めていた期間によって作業の性質が変わります。短期間なら前任者の状態を「復元」すれば動きますが、期間が延びるほど「再構築」に近づきます。以下は、募集職種が1〜2、媒体が1〜2社という規模を想定した目安です。会社の状況によって前後します。
| 止めていた期間 | 再開時に主に発生する作業 | 社内の実働の目安 |
|---|---|---|
| 1ヶ月以内 | 応募者への連絡再開、掲載の再開手続き | 数時間〜2日程度 |
| 1〜3ヶ月 | 上記+媒体アカウントと契約の確認、原稿の情報更新、選考中だった人の状態整理 | 1〜2週間分の断続的な作業 |
| 3〜6ヶ月 | 上記+契約の失効・自動更新の確認、原稿の作り直し、選考基準と面接体制の再設定 | 3週間〜1ヶ月分 |
| 6ヶ月以上 | 上記+媒体の選び直し、給与・条件の見直し、採用計画そのものの再設計 | 1〜2ヶ月分 |
期間が延びるほど作業が増えるのは、判断に必要な情報が社内に残らなくなるからです。前任者の頭の中にあった「この媒体は年間契約でいつ更新か」「この応募者はなぜ保留にしたか」といった情報は、時間が経つほど誰にも復元できなくなります。3ヶ月を超えたあたりから、作業は「思い出す」ではなく「ゼロから決め直す」に切り替わると考えておくと見積もりを外しにくくなります。
立ち上げ直しは順番を守ると短くなる
再開時によく起きるのが、いきなり求人原稿を書き直そうとして止まるケースです。原稿は直せても、掲載する管理画面に入れなければ公開できません。順番は次のとおりです。
1. 媒体アカウントと契約の状態を確認する
ログインできるか、契約は生きているか、名義は誰か。ここが通らないと以降のすべてが進みません。ログインできない場合の解き方は求人媒体の管理画面に入れないときの確認手順にまとめています。あわせて、請求書から契約を逆算する求人媒体の棚卸しも同じタイミングでやると二度手間になりにくいです。
2. 止まっている応募者を洗い出す
数ヶ月止めていても、選考途中で放置されたままの応募者が残っていることがあります。連絡が可能な人には、たとえ結果が不採用でも一度返すのが基本です。放置したままだと媒体上の評価や口コミに影響する場合があります。
3. 応募の受け皿をつくる
再開してから窓口を考えると、また同じ状態に戻ります。誰のメールアドレスに届き、誰が何時間以内に返すのかを先に決めます。
4. 原稿と条件を直す
ここでようやく原稿です。数ヶ月止めていた場合、給与相場や競合の掲載内容が動いていることが多いため、前の原稿をそのまま再公開すると応募が戻りにくくなります。
5. 掲載を再開し、運用の当番を決める
再開後は応募が来る前提で当番を組みます。ここを決めずに再開すると、また同じ理由で止まります。
順番を入れ替えたときに何が起きるかを整理すると、以下のようになります。
| よくある進め方 | 起きやすいこと |
|---|---|
| 原稿から直し始める | 直したのに掲載できず、数日〜数週間停滞する |
| 先に掲載を再開する | 応募が来ても返せず、再開前より印象が悪化する |
| 応募者の整理を後回しにする | 連絡可能な候補者が完全に離脱し、母集団を作り直すことになる |
誰がやるかを先に決める
作業を並べても、担当が決まっていなければ動きません。数ヶ月止まっていた会社では、再開作業を1人に集めると、その人の本業が止まって二次被害が起きがちです。役割を分けます。
- 契約・アカウント・支払い:管理部門または経理。請求書と契約書にアクセスできる人が担うと早い
- 応募者への連絡:一次窓口を1人決め、バックアップをもう1人置く。文面はテンプレートを作って共有する
- 原稿の内容と条件:現場責任者と経営。給与や役割の決裁が必要なため、ここは社内に残す
- 面接の実施:現場。日程を押さえられる人を先に確定させる
このうち、社内の誰かが片手間で担うと最も詰まりやすいのが「応募者への連絡」です。返信が遅れると選考が進む前に離脱していくため、再開直後こそ速度が要ります。理由は応募者への返信速度が採用結果をどう変えるかで詳しく扱っています。
そして、再開作業と並行して後任の採用も進めるなら、社内工数は単純に足し算になります。総務や管理部門との兼任でどこまで持てるかは総務兼任で採用を回す限界はどこにあるかを先に読んでおくと、無理な割り当てを避けやすくなります。
再開の判断に必要なのは「棚卸し」から
数ヶ月止めた状態から再開するとき、最初に必要なのは決断ではなく現状把握です。どの媒体の契約が生きていて、いくら払っていて、誰が入れて、選考途中の応募者が何人残っているか。これが分かれば、作業量も、社内でやるか外に出すかも判断できます。
株式会社Talencoの採用担当引き継ぎ代行は、止まった求人活動の復旧、後任の採用担当の採用、引き継ぎと業務改善までを一続きで担うサービスです。後任は採用担当の経験者でなくてかまいません。当社が実務を回しながら育てて引き継ぎます。標準プランは4ヶ月・200万円(税別・広告費込み・分割可)、復旧だけの2ヶ月80万円、完全支援の6ヶ月300万円をご用意しています。詳細は料金プランをご覧ください。
まずは現状を把握するところから。採用ストップ診断(媒体アカウント・契約・進行中の応募者の棚卸し)までは無料でお受けしています。ご相談はLINE公式アカウントからどうぞ。